内容説明
高齢化・過疎化・財政難に直面する岩手県紫波町は、今や県内第2位の地価上昇率を記録し、駅前エリアには年間90万人以上が訪れる。従来の行政主導でも、大手企業に頼る開発でもない、行政と民間が連携して進めるまちづくりとはどのように実現したのか。その10年間の軌跡を追う。
目次
キーパーソン
脱・これまでのまちづくり
目標が決まったらば、走る
「集客装置」をつくる
プロジェクト前夜
マスタープラン完成
みんなの広場
オガールプラザを「稼ぐインフラ」に
ライフスタイルの提案
デザイン会議
町にふさわしい図書館を
オガールベースにかけた「本気」
幸せな町には幸せな人生がある
著者等紹介
猪谷千香[イガヤチカ]
1971年東京生まれ。明治大学大学院博士前期課程考古学専修修了。産経新聞で長野支局記者、文化部記者などを経た後、ドワンゴでニコニコ動画のニュースを担当。2013年4月からハフィントンポスト日本版記者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
けんとまん1007
24
ここに沢山のヒントがある。公民連携という形。これからの時代を考えるうえで、この視点・スタンスは必須になるのではと思う。箱モノ行政ではなく、あくまで、そこに暮らし・集うという視点。ライフ・スタイルから始める視点。税金を投げ込むのではなく、あくまで、収支バランスを民間の視点で考える。5年後、10年後を見据えた視点。何より、そこで暮らす住民を巻き込む長い取り組みそ、真摯な態度。それプラス熱い思い。だからこそ、本物のプロも集い、住民も加わる。町づくりを超えたものがある。2016/11/27
ふじ
20
岩手県盛岡市のベットタウンと言えば聞こえはいいけど、実際には中学は荒れ、賢い子は高校から盛岡へ、そんな町紫波。そこにUターンした岡崎氏と、町長の藤原氏が中心になり始めた、町有地(駅前)の公民連携開発。望むライフスタイルがある街には人がやってくる、との言葉が印象的。ゆるく繋がりが持てる空間がある街、私も住みたい。読後思ったのは、約10年をかけ、紫波は100年後も生き残る街に変わり始めたということ。身近な町だからこそ、余計に心に響きました。図書館の農業支援目的だったけど、全部読んで良かった。2017/05/23
とよぽん
20
岩手県紫波町の、町民による町民のための町づくり・・・100年後にも残るエネルギー循環型の町。雪捨て場だった広大な町有地を、公民連携で町民の生活のためのエリアにつくり変えた「オガールプロジェクト」の軌跡が、丁寧にまとめられている。官の「地方創生」がどれも今一つ芳しくない現状にある一方で、紫波町の成功は他の地域にとって学ぶべき点が無限にある。ノンフィクションがこんなに読者を感動させていいのか?2017/03/25
あや
18
【図書館】2016/11/07
ぐっち
16
岩手県紫波町の公民連携での駅前再開発。筆者の猪谷さんは、図書館の取材に行ったのがきっかけで、開発全体に魅力を感じ取材されたそう。このプロジェクトに関わったたくさんの方に取材されていて読みごたえがある。まずは目指す姿を決めること、最新理論や他の事例を学ぶこと、街の人を巻きこむこと。得意な人とタッグを組むこと。学ぶことが多い。紫波町なのになんでオガール?の理由も良かった。岩手に旅行に行きたいと画策中なのだが、行ったら寄りたい。2025/07/26