内容説明
この世かぎりの命だと思っていると損をする!仏教の真髄がわかれば、死が怖くなくなる、生きるのがラクになる。
目次
第1話 自分の思い通りになることが幸せにつながるわけではない(人は自分の力だけでは生きられない;「死」に近かった私をこの世に引き止めたのは何だったのか ほか)
第2話 人間は死んでも、また生き続ける(「死んだら、終わり」ではない;死んだあと、人間はどうなるのか ほか)
第3話 なぜ不条理なこの世を生きなければならないのか(だれの人生にも「四苦八苦」がつきまとう;この世に永遠不滅のものはない ほか)
第4話 人は「情け」を知るために生まれてきた(この世ほど「情け」をかけ合える世界はない;だれもが「四恩」のおかげで生きている ほか)
第5話 どうすれば幸せになれるか(生死の苦海から救われる道がある;死後が救われれば、この世でも幸せになれる ほか)
著者等紹介
大谷暢順[オオタニチョウジュン]
昭和4年、京都生まれ。東京大学文学部、ソルボンヌ高等学院卒業。パリ第7大学で文学博士号取得。名古屋外国語大学名誉教授。フランス国パルム・アカデミック勲章受章。現在、本願寺法主、一般財団法人本願寺文化興隆財団理事長。天皇陛下の従兄(母・智子“旧名・久迩宮智子女王”は香淳皇后の妹)で、親鸞の血を引く(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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壱萬参仟縁
31
幸せとは本来、仕合わせ。仕え合い、支え合ったときに、しあわせという状態が訪れる(32頁)。他者なくして得られぬ仕合わせ。人間の一生は仏教では、何度死んでも生まれ変わって魂は永続するという。輪廻転生(41頁)。人間を苦しめる三毒(貪欲=とんよく、瞋恚=しんに、愚痴)の煩悩(52頁)。他人は自分の目でよく見えるが、自分自身のことは見えない(82頁)。自分を省みないと、他人の欠点がますます目につく(83頁)。逆境こそが人間を成長させる(106頁~):蓮如は、愛なき人生で愛を知った。2016/04/12
ちゆりさん
17
とてもわかりやすく、読みやすかった。「他力本願」の本当の意味がわかった。「信じる」と言う言葉も初めてわかった気がする。作者は「人間は偶然の連続で生きている」と言っている。「奇跡的に死なずに済んでいるだけ」だと。私もずっと「今私が生きていられるのは、ただ運がよいだけだ」と思ってきた。だとしたら、今この瞬間瞬間この運を与えてくれている誰かに、常に感謝して生きてかなくては…と思う。読んでよかった。2015/12/29
くみっふぃー
16
仏教、他力本願についてわかりやすい言葉で述べられている。浄土真宗の他力本願の教えをもとに、こんなふうに考えて生きてみてはいかが?って言われてる感じ。2016/01/20
シロうさぎ
15
真宗大谷派は親鸞聖人直系25世の著者が、自らの生い立ちを述べながら仏道とは何かを良くも悪くも深く考えさせてくれました。教団内の権力争いなどあまり知りたくもなかった事もありましたが、無我の境地を求め、あるがまま導かれるままに生きることの大切さのお話は、ストレスが多い毎日の中でとっても気が楽になりました。でも難しかった・・・。2018/04/15
かず
11
著者は俗にいう「お東騒動」により真宗大谷派から追い出されてしまった方の大谷さん。でも、こちらが本筋です。その辺はさておき・・・「人間は死んでもまた生き続ける」とは仏教の教義で言う「輪廻転生」のことですが、それも含め、仏教や浄土真宗の考え方を易しく解説してくれます。私は一般的なことしか知らなかった蓮如や御文についての記述が印象に残っています。また、浄土教というと兎角「死ぬと極楽に行ける」と見聞きしますが、そうではなく現世利益も含んでいるのだ、という記述に納得した次第です。この世を極楽と思って生きたいですね。2016/11/13