漱石先生大いに悩む

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  • サイズ B40判/ページ数 255p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784093861397
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

漱石の作家デビュー100年目の真実!

"明治37年12月、少壮英文学者夏目金之助が処女小説『吾輩は猫である』を世に問うた。ここに「作家・漱石」誕生。日本近代文学史上、最も重要な大事件からちょうど100年! しかし、この国民的大文豪には謎も多い。今また1通の書簡が新発見された。作家デビュー直前に手紙を交していた謎の女性。そして「作家・漱石」誕生の秘密につながる重大新事実の浮上……。パスティーシュの旗手が、日本近代文学史上最大のミステリーに挑んだ怒濤の書き下ろし作品。謎の書簡と謎の女性の真実を求めて""文学探偵""の推理が冴える! この小説を楽しみながら日本文学の通になれる、ジャンルの文学探偵小説です! 学校で習わなかった「へぇ?」と「ホント??」がいっぱい!"

内容説明

明治三十七年十二月、少壮英文学者・夏目金之助が処女小説『吾輩は猫である』を世に問うた。ここに「作家・夏目漱石」誕生。…日本近代文学史上、最も重要な大事件であった。定説では、神経衰弱に悩んでいた漱石に、高浜虚子(正岡子規後継者、「ホトトギス」主宰)が「気晴らしの文章を書くことを勧めた」のが、執筆のきっかけとされる。しかし、今回新発見された漱石書簡によれば、それ以前から小説の構想と新しい文体をめぐって、あるウラ若き女性と意見を交わしていた重大新事実が浮上してきた。手紙には「美禰」という名が記されている。この謎の女性は、漱石作家デビューにどうからんでいたのか?さらに漱石の文豪たるゆえんは、現代日本語表現の基本を創り上げた功績にあるが、そんな大仕事を、なぜいきなり処女作で成し遂げられたのか?謎の書簡と謎の女の真実を求めて…“文学探偵”見参!その推理が冴える。

著者等紹介

清水義範[シミズヨシノリ]
1947年名古屋市生まれ。1971年愛知教育大学国語科卒。1986年『昭和御前試合』でアッと驚くばかりのパスティーシュ(様式模写)を試み、ユーモア小説の新境地を開拓。1988年『国語入試問題必勝法』で吉川英治文学新人賞。その後『金鯱の夢』『虚構市立不条理中学校』『柏木誠治の生活』が続けさまに直木賞候補作となる。パスティーシュの第一人者としての活躍ばかりか、国語問題・教育問題への積極的な発言・活動でも注目されている
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Tadashi_N

17
「吾輩は猫である」異説。2021/09/12

Our Homeisland

15
名人、とても偉大な作家の清水義範氏の作なのに、どうして、こんな人数しか読んでいないのかが、まず、びっくりです。この人の作品としては、仕掛けも穏やかでそんなにびっくりするような作りではありません。読みやすくて普通に最後まで読めるし、それほど物足りないという読後感でもありません。この人の上手さというのは、こういう有名人物を題材にしてしまうあたりで、しかも、誰もが知っている名作についての話なので、ちょっと、反則ぎみという気がします。よくできた良い小説だと思います。2013/11/19

舟江

11
文学素人の私にとって、明治30年代が良く解り、尚且つ言文一致の推論も面白く、大変楽しく読むことができた。お薦め本である。2017/05/16

shamrock

11
たのしかったー。「心訓小説」に続いて文学探偵読了2冊目。偶然「わたし」の元に持ち込まれた夏目漱石の書簡から広がっていく推理。「わたし」パートと「漱石」パートが交互に配され、最終章はそれらが融合し、漱石の本当の姿が明らかに。うまいなあ。軽く読みやすい文体で、従来の漱石像というものをひっくり返されました。あとがきが重要。2014/06/28

ようこ

11
漱石が好きなのは、明治の偉大な文豪の作品の中に自分と同じような悩みや葛藤や喜びを見出すことができるからだと思うのだが、この一冊を読み、論理的な文章を確立したのが漱石であり、それを確立することができたのは英文学を漱石が学んでいたからだということに目からうろこ。本の筋としては漱石が口語体で論理的な作品を生み出した陰に知的な女性との交友あり、というもので、終盤思いがけなく切ない展開になるが、それもまた漱石の人間性を浮き上がらせてこの作品の魅力になっている。2012/01/01

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