記憶破断者

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  • サイズ B6判/ページ数 364p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784344028036
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

記憶が数十分しか持たない記憶破断者VS記憶を勝手に上書きできる超能力男。 絶体絶命の記憶破断者の武器は、日記と優れた頭脳のみ。彼は、いったいどのようにして超能力男を追いつめるのか?

『アリス殺し』で2014年啓文堂大賞受賞! 『大きな森の小さな密室』が2012年上半期、創元文庫No.1!! ミステリー・ホラー・SFの新気鋭の著者による、書下ろしノンストップサスペンスエンターテインメント。
見覚えのない部屋で目覚めた田村二吉。目の前には一冊のノート。そこには自分が前向性健忘症であることが記されていた。どうやら、俺の記憶は数十分しか持たないらしい。 ノートに書かれていた驚愕の一文。それは、「今、自分は殺人鬼と戦っている」ということだった!!!  一方、雲英光男は、手で触れた者の記憶を改ざんできるという超能力を持っていた。身の回りの人たちの記憶を無理やり改ざんし、自分の思い通りにさせる雲英。あるとき、雲英に遭遇した田村は雲英が何らかの方法で悪事を働いていることに気づく。絶対絶命の中、田村の、孤独な戦いが始まった。記憶がもたない田村は、いったいどういう方法で、雲英を追いつめるのか? 二人の勝負の行方は?

内容説明

頼りになるのは、ノートだけ。記憶がもたない男は、記憶を書き換える殺人鬼に勝てるのか?見覚えのない部屋で目覚めた二吉。目の前には一冊のノート。そこに記されていたのは、自分が前向性健忘症であることと「今、自分は殺人鬼と戦っている」ということだった。殺人鬼は、人に触れることで記憶を改竄する能力を持っていた。周囲は誰も気がつかない中、その能力に気がついた二吉に、殺人鬼の脅威が迫り来る。絶対絶命の中、記憶がもたない二吉は、いったいどういう方法で、殺人鬼を追いつめるのか?二人の勝負の行方は?

著者等紹介

小林泰三[コバヤシヤスミ]
1962年京都府生まれ。大阪大学大学院修了。95年「玩具修理者」で第2回日本ホラー小説大賞短編賞を受賞し、デビュー。98年「海を見る人」で第10回S‐Fマガジン読者賞国内部門、2012年『天獄と地国』で第43回星雲賞日本長編部門、14年『アリス殺し』で啓文堂大賞(文芸書部門)をそれぞれ受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

徒花

422
記憶が数時間しか持たない男と記憶を操る狂人の戦いを描いたスリラー作品。帯であおっているとおり、最後の一行で「ぎょえっ!」とさせられる。著者のほかの作品と関連があるようで、それと組み合わせることによって最後の一行にはいくつかの解釈ができるようだが、残念ながらワタクシはそれらの本を読んでいないのでもっとも単純な解釈しかできなかった。しかし、おそらくこのもっとも単純な解釈こそが読者を恐怖のどん底に陥れるものなのではないかと思う。まあまあおもしろかった。2016/07/04

🐾Yoko Omoto🐾

145
小林作品初読み。前向性健忘症のせいで記憶が数十分しかもたない男と、触れた相手の記憶を都合良く改竄出来る超能力殺人鬼。記憶を補完する手立ては自筆のノートのみという主人公が、偶然にも関わり合うこととなった超能力者をいかなる方法で追い詰めていくのか、記憶喪失という設定上、繰り返す描写が多いながらもスピーディーな展開に一気読み。人間の記憶が如何に曖昧で不確かなものか、疑うべくもないと思っている自分の記憶は本当に正しいのか、そんな薄ら寒さを感じるラスト。ただ、面白かったが疑問も残り、ややモヤッとした読後感ではある。2016/09/11

nobby

137
ふーむ、まさに「記憶を持たない英雄と記憶を操る怪人の対決」をわくわくドキドキしながら読んできて迎えるラストは頭の中はモヤモヤと疑問符でいっぱい…数十分しか記憶が保持できない前向性健忘症なる主人公の視点でほぼ描かれる展開は、その繰り返される様や時系列の曖昧さから正直どこまで正確に把握出来たのか不安(笑)それでも映画『メメント』に勝るとも劣らぬ程に一気に読ませるのがスゴい!いちいちノートを開く度に目にする「自分は殺人鬼と戦っている!」は強烈過ぎる!記憶の改竄と消失がぶつかり合う心理戦を軽快に楽しめるのがいい。2019/11/08

utinopoti27

127
『人の記憶を自由に改ざんできる男』雲英光男。彼の能力は、監視カメラにさえ警戒していれば、アリバイのでっち上げや、罪のなすりつけもやりたい放題の恐ろしい力です。対するは『つかの間しか記憶を保てない男』田村二吉。すぐ記憶が飛ぶので、光男の力に唯一対抗できるのだ。作者はよくこんな設定を思いつくなあ(;^_^A。さらに光男も二吉も間が抜けているようでいて、妙に説明調で理屈っぽい。ほかの登場人物たちも掴みどころがなかったりと、このカオスはいったい何なのでしょうね(笑)。ともあれ、この作風は中毒性がありそうです。2018/12/08

みっちゃん

121
目覚めると、目の前には1冊のノート。「警告!自分の記憶は数十分しかもたない」ふむ。「今、自分は殺人鬼と戦っている」え、え〜っ!?一気に引き込まれた。人の記憶を改竄してしまう事で、非道の限りを尽くしている犯人の能力。誰にも悟られないこの力に、記憶のない主人公だけが気付く、というのが面白い。同じような記述が続く中に小さな違和感を感じたような気がして、自分の記憶にも不安が沸き上がる。そしてこのラスト!「えっ!?」慌てて最初に戻ったよ。何ともモヤモヤして気持ち悪いねえ。関連があるらしい【忌憶】を読んでみる事にする2015/10/13

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