出版社内容情報
1958年、無名の青年が大学在学中に書いた作品が雑誌〈宝石〉に一挙掲載され、大反響を巻き起こす――大藪春彦の鮮烈な登場は、まぎれもなく日本ミステリ史上の事件であった。本書はその輝かしきデビュー中編「野獣死すべし」を巻頭に据え、大藪版『血の収穫』とも言うべき初期長編『無法街の死』と八つの傑作短編を収録。伊達邦彦や彼にはなれなかった男たちが織りなす、狂熱と冷酷さが渦巻く大藪ハードボイルドの世界を俯瞰する。
内容説明
大藪春彦の登場は、戦後ミステリ史上の事件であった。デビュー作「野獣死すべし」とその主人公・伊達邦彦が与えた衝撃は大きい。“日本ハードボイルド全集”第二巻の本書では、その「野獣死すべし」を巻頭に据え、さらに長編『無法街の死』と八つの短編を収録。暴力と怒りが渦巻く、大藪独自の小説世界を確立させた初期の傑作を集成する。巻末エッセイ=馳星周。
著者等紹介
大藪春彦[オオヤブハルヒコ]
1935年朝鮮・京城生まれ。58年、早稲田大学在学中に書いた「野獣死すべし」が“宝石”に掲載されデビュー。銃器の正確な知識に裏打ちされた迫真のアクションとバイオレンス描写を盛りこんだ作品が人気を博し、終生ベストセラー作家として活躍した。代表作に『蘇える金狼』『汚れた英雄』などがある。96年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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フリウリ
28
犯罪小説。解説で杉江氏は、犯罪を通じて個人と社会の関係を浮かび上がらせることが重要で、さもなきゃ犯罪小説、「ハードボイルド」とはいえないと述べるが、暴力肯定の男心にぴったり寄り添う犯罪小説から読み取れる「関係」は、前時代的な男根崇拝がちらつき過ぎて、ちょっと無理。「野獣死すべし」の主人公は、子どもの頃に北朝鮮から苦労して引き揚げてきたという設定(大藪自身の経験だそう)、別の小説に出てくる殺し屋の一人は、戦時は飛行機乗りで一人だけ生き残ったという設定であり、作品の背景に「敗戦」があるのは興味深いかな。42026/08/23
みなみ
28
銃が乱発されるし、どんどん人が亡くなるし、暴力頼りになることでどんどん追い込まれていくし…ハッピーエンドとは程遠いけれど、これぞハードボイルドという感じ。女性の扱い方が酷いのも時代を感じる。特に「野獣死すべし」が主人公の悪者っぷりが突き抜けていて、凄味を感じてしまう。この時代と比べると今は平和になったな。2026/01/15
くさてる
28
兄が好きだったので、十代の頃によく読みました。大人になっての読み返すと、やはり「野獣死すべし」は傑作中の傑作。それ以外の作品は時代を感じるものも多いし、あまりの人死にの多さには荒唐無稽ささえ覚える。それでも圧倒的に読ませるこの力は本物だと思いました。2022/01/16
本木英朗
16
〈日本ハードボイルド全集2 大藪晴彦〉である。暴力の嵐、血潮の海。その奥底に孤独と怒り!とあるのだが……。うーん、俺にはちょっと今回の話は悪かったなあ。とりあえず以上です。2022/02/11
kenitirokikuti
9
図書館にて。先日、結城昌治『ゴメスの名はゴメス』を読み、次に近所の図書館にあったこの「創元推理文庫/日本ハードボイルド全集」の結城昌治の巻を借り、ついでにこの全集も読んでみようかしら、と他の巻も借りた▲解説と「野獣死すべし」を読んだ。優作主演の映画版も含め、読んだことなかったなぁ▲大藪は1935年生まれ。終戦時に朝鮮北西部にいたが、運良く日本に生還する。1958年に早稲田在学中に「野獣死すべし」を執筆。ワセミスのルートで『宝石』掲載に至る。大江健三郎も1935年生まれで、1957年に「奇妙な仕事」。2024/08/30




