内容説明
新東京テレビ制作部に勤務する五味剛は、敏腕テレビマン。彼がプロデューサー兼総合演出を務める『生激撮!その瞬間を見逃すな』は、警察のガサ入れを生放送するという過激な内容が受け、毎回高視聴率を叩き出す大人気看板番組である。ある日五味は、覚せい剤密売犯のガサ入れ現場で偶然映し出された顧客名簿の中に、社内で絶大な権力を振るう編成部長・板橋庄司と思しき人物の名前を発見する―。嫉妬と欲望とプライドが渦まくテレビ業界を描く、衝撃の書き下ろし長編小説。
著者等紹介
田中経一[タナカケイイチ]
1962年東京都生まれ。立教大学法学部卒業後、テレビ業界へ。その後、フリーの演出家として独立。数々のテレビ番組の演出を手がけ、多くの受賞歴を持つ。現在はテレビ番組制作会社(株)ホームラン製作所を経営し、テレビ番組や食に関するイベント等を演出している。2014年、『麒麟の舌を持つ男』(幻冬舎)で小説家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ナイスネイチャ
170
「麒麟の舌を持つ男」に続き、二作目。テレビ業界の闇を描いてました。前作は越えられないぞとフィルターかけてましたが、杞憂に終わりました。田中経一さん・・もう虜ですね。面白かった!!2015/06/27
ゆみねこ
72
テレビ局が舞台。買収劇や内部の人間を罠にかけるとか、エンタメとして読めば中々面白い。軽く読めるので、重いものの合間に読むにはいいですね。2017/01/02
pukupuku
61
スピーディーで、緊迫感に溢れた生放送の裏側を文字で読みながら、脳内では、映像が目まぐるしく移り変わる。チョイ悪な雰囲気を醸しつつ、実は誰よりも制作に情熱をかけるテレビ屋五味。黒幕とかイタズラしたのが誰なのか、何となくすぐ分かってしまう展開ではあったけど、先が気になってついつい一気読み。田中経一さん、「麒麟の舌を持つ男」もよかったし、新刊が楽しみな作家さんが増えた。2015/10/06
きつねこ
61
テレビ業界のBIGな裏話。視聴者との約束がテレビ制作マンの矜持としながら、ガサ入れ突入生放送番組をつくる五味さんを中心に、テレビ会社乗っ取りという一大事を五味さんと周りの人達の視点で描く。胡散臭くて、でも、さもありなんな事件ばかり〜。最後がすかっと終わったのと、五味さんの未来に明るい光が見えてきたのがよかった。一作目もよんでみよ。2015/07/29
Ikutan
59
『麒麟の舌を持つ男』がよかったので楽しみにしていました。こちらも期待通り面白かった。ネットなど他の媒体に押され、スポンサーも付かず、存続が厳しくなってきたテレビ業界。そんな中、生き残りを賭けて奔走するテレビ屋たち。視聴率との戦い、やらせ問題、そして企業買収。そこには、出世競争も。それぞれの立場、思惑や駆け引き。業界第一線で活躍する筆者ならではの視点ですね。冒頭に、テレビ局や番組の案内があり、本文では、違う人物の視点で再度語られるので内容が掴みやすい。痛快な結末は池井戸さんぽいかな。タイトルもなーるほど。2015/08/29