出版社内容情報
『カラマーゾフの兄弟』よりも罪深く、『アルジャーノンに花束を』よりせつなく、『ブラック・ジャック』よりも奇想天外、そして『殺し屋1(イチ)』よりも痛い! ホラーもミステリも超えた、書き下ろし衝撃作!
内容説明
見るだけですぐに症状がわかる二人の天才医師、「痛み」の感覚をまったく持たない男、別れた妻を執拗に追い回すストーカー、殺人容疑のまま施設を脱走した十四歳少女、そして刑事たちに立ちはだかる刑法39条―。神戸市内の閑静な住宅地で、これ以上ありえないほど凄惨な一家四人残虐殺害事件が起こった。凶器のハンマー他、Sサイズの帽子、LLサイズの靴痕跡など多くの遺留品があるにもかかわらず、捜査本部は具体的な犯人像を絞り込むことができなかった。そして八カ月後、精神障害児童施設に収容されている十四歳の少女が、あの事件の犯人は自分だと告白した、が…。
著者等紹介
久坂部羊[クサカベヨウ]
大阪府生まれ。大阪大学医学部卒業。医師。2003年、『廃用身』で作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
紫綺
141
再読。TVドラマより以前に既読。TVと比べると、原作は設定も違い、リアリティに溢れている。執拗な手術描写、殺人描写が読む者の恐怖を増長させる。犯罪も一種の病気・・・なのだろうか。2016/11/18
きさらぎ
83
ドラマを見ていて懐かしくなったので再読。そうそう!原作は神戸が舞台だったよね。知ってる地名がたくさん出て来た。9年前に描かれた作品だけど、著者の主張は最新刊の「虚栄」と同じだと感じた。(治る病気は放っておいても治る。早期がんでも死ぬ人もいれば進行がんで助かる人もいる…というようなこと) 39条については、被害者が存在するのに加害者が罪を償わずに済まされるなんて、当事者でなくても納得できる話ではない。あと、誰がどう見てもいい人のはずの菜見子を偽善的だと感じてしまい自己嫌悪です…(←特にドラマの方)2015/11/10
そのぼん
74
以前にドラマ化された作品を見ていたので、すんなりと本の世界に入ることが出来ました。一家惨殺事件から始まり、ストーカーや無痛症の悲惨さ、精神障害者や心神喪失の人物が起こした犯罪など、問題提起満載でストーリーが進みました。ドラマ版とは違う部分もたくさんありましたが、小説の方もなかなかよかったと思いました。ドラマ版のキャストが頭のなかで再生されながら読んでいました。2016/05/21
high
67
[15-262-120]<2015年秋ドラマ/シリーズ1>住宅街で起きた教師一家殺害事件。あまりの惨殺さより刑法39条が適応される人格障害者による犯行が疑われた。外見から病気や犯罪者が特有の「犯因症」を診る事のできる医師・為頼英介が連続殺人鬼を追う。刑法39条を悪用が書かれており、その判断基準について考えさせられる。結末が疑問(?)だったので、次巻ではすっきりさせてほしいかな^^; ※ドラマでは設定が違っているようです。2015/10/10
taiko
65
グロテスクなシーンが多く疲れる読書でした。タイトルにある無痛症だけでなく、精神に異常を来たした者は罰せられないという刑法39条や、二人の医師が持つ犯因症を見分ける力など、多岐にわたるテーマに翻弄されましたが、興味深く面白かった。痛いのは嫌ですが、痛みがわからないのはやっぱり怖い。痛みがわかるからこそ危険に気づけるのだから、我慢しないといけないですね。見ただけで病気がわかる力とまではいかなくても、せめて自分の不調ぐらいは自分で判断出来るようにはなりたいもの。日々じっくり観察する努力はしてみようと思いました。2017/12/10
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- 和書
- 夢顔さんによろしく