内容説明
ごく普通の大学生の「僕」は、就職活動を前にしてドロップアウト。そして始めた東京・山谷でのドヤ暮らし。宿なし・金なし・家族なしの中年男たちと寄せ場や職安に通い、スポーツ新聞に掲載された求人を頼りに飯場の世界にも飛び込んでいく。彼らは、そして就職を選べなかった僕は、ダメな人間なのか?答えは肉体労働の中にある。だからひたすら汗をかく。今日も、明日も、明後日も―。ドヤ街の男たちと寝食を共にした一人の大学生による傑作ノンフィクション。幻冬舎アウトロー大賞大賞受賞作。
目次
プロローグ 大学三年冬の憂鬱
山谷漂流(高田馬場人間市場;山谷に潜入;ドヤの生活 ほか)
飯場漂流1―地下鉄編(飯場に潜入;地下鉄の男たち;漂泊する男たち ほか)
飯場漂流2 ―冬山編(再び飯場へ;山の仕事;プロになれ! ほか)
エピローグ 僕の選択
著者等紹介
塚田努[ツカダツトム]
1974年生まれ。本作品「だから山谷はやめられねえ」で幻冬舎アウトロー大賞(ノンフィクション部門)受賞、デビューを果たす(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おじいやん featuring おじいちゃん( ̄+ー ̄)
9
親和性を感じる。片足つっこんでるのかな2021/03/31
海
2
とりあえずタイトルを「飯場体験してみました☆」に変えた方が内容に合っているのではないかと思う。あんまり山谷について詳しくないみたいだし、そこでちょっと出会った人たちのことだけ書いてこのタイトルはないわー。上からというか、所詮違う人種の他人事の世界を少しかじってそれを文章にしました、という感じ。2012/11/12
ナユタ
2
就職と仕事の違い。心に残った。あと、資格を持っていても仕事ができるわけではないって言うのは、今の日本の現状をよくあらわしていると思う。2011/03/31
Daisuke
1
ノンフィクション。大学生だった作者は、大学→就職という、レール通りの人生を恐れた。その漠然とした不安を解消してくれる「何か」がドヤ街(日雇い労働者の町)で生きている人々の中にあるのではと考え、ドヤ街に飛び込んでいく。その体験を綴った作品。 ドヤ街での人々の生活/飯場とドヤ街とホームレスの意識の違い/セーフティーネットやボランティア活動の矛盾/過酷・危険だが技術の身につかない肉体労働/ 等が筆者の視点から描かれている。2016/11/15
suzuoan
1
山谷というのはどんな世界なのだろうと期待が膨らんだ。 だがけっして未知の世界ではなく、普段暮らしてる人々と変わらない日常がそこにあるだけだった。イメージしていた山谷らしさなかったけれど、真面目に働き、ギャンブルに精を出したり酒を飲んでバカ話をしたりと、山谷での生活を垣間見れた。2017/09/26