目次
1 はじめに
2 基礎概念
3 正則理論
4 一般理論
5 事後分布の実現
6 ベイズ統計学の諸問題
7 ベイズ統計の基礎
8 初等確率論の基礎
著者等紹介
渡辺澄夫[ワタナベスミオ]
1982年東京大学理学部物理学科卒業。2001年東京工業大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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月をみるもの
12
"もちろん現実世界の中における有限個のサンプルに基づく推測はその精度に限界や誤差があり,真の分布が完全に特定されるということは起こり得ない。しかしながら,与えられたサンプルと与えられた確率モデル · 事前分布を用いて統計的推測を行ったとき, その限界や誤差について私たちは知ることができる。統計的推測において, どのような誤差があるのか,どのような限界があるのか,について知ることは「わからない→ 推論 →わからない→…」の繰返しの中にあった私たちに, 拠って立つことができる場所を与えてくれるものなのである”2021/05/08
shin_ash
5
いわゆる“渡辺ベイズ”と言うかWAICについても押さえておこうと思って読んでみた。正直に言うとロジックは殆ど理解できなかった。しかしながら辛うじて言いたいことは何となくわからなくはない。要するに「統計的に絶対の方法は無い」ことを前提に多少でも当てになる推測方法としてベイズ推測を推奨している。それには根拠が必要で、その根拠として“推定の良さ”を測る指標が必要になる。その指標についてのロジックを情報理論的アプローチを基本方針として、解析力学と統計力学を援用して指標のロジックを構成した、と言うことだろう。やりた2022/08/14
Józef Klemens Piłsudski
2
「読み終わった」ことにしたが、半分も理解できてないと思う。本書が説明せんとしていることは「従来的な最尤法に基づく統計学と事前分布を使うベイズ統計は背反するものでなく統一的に説明できる」「従来的な統計学では『非正則なモデル』をうまく推定することができず、非正則なモデルも対応できる点でベイズ統計が有利である」の2点だと思うが、その説明のために統計物理の話が次々出てくるため統計物理を知らない自分にとっては難解だった。内容の過半はベイズ統計の理論的根拠でありすぐにベイズ統計を使って何かやりたい人には向かない。2016/10/30
tsk
1
掻い摘んで。まったくもって全体像は理解できていないものの、AICやBICなどの複数の基準の違いを明快に述べている部分がとても参考になったし意味づけが分かりやすかった。前半のものすごい理論的な話と、後半にある実際にどうすればいいか?が共存しているのがすごいテキストだと思う。2020/01/27
センケイ (線形)
1
近いように見えて遠い、統計力学と統計学の接点が見える一冊。特に Langevin 方程式の話のあたり。2013/11/28