出版社内容情報
下肢切断が必要と判断します―高校二年の美結に告げられた医師の言葉。逃れようのない現実に絶望しながらも、ついに美結は右足切断を決める。そして、その先の一歩を踏み出すため、切断した脚をみずから葬ることを決意する。
千葉朋代[チバトモヨ]
著・文・その他
平澤朋子[ヒラサワトモコ]
イラスト
内容説明
その先の一歩を、踏みしめる。この義足は、ずっと失ってばかりだった私に、やっと与えられたプラスだった―。日本児童文学者協会「長編児童文学新人賞」入選。
著者等紹介
千葉朋代[チバトモヨ]
北海道生まれ。定時制高校に通いながら、准看護師免許取得。網走高等看護学院卒業後、看護師として各科勤務。「季節風」「黄色いコスモス」同人。『さくら坂』で第14回日本児童文学者協会・長編児童文学新人賞入選(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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itica
43
【児童書】辛い話だ。昨日まで普通の高校生だった少女、美結に突然突きつけられた下肢切断という現実。未来に明確な夢を持ち、今羽ばたこうとする彼女に、その決断はあまりにもむごい。美結が厳しい現実に向き合って心を乱し、迷い、そして決心するまでが丁寧に描かれている。辛いことを乗り越えた先の強さは人をより輝かせる。見える世界が前より広がって心が豊かになるからだと思う。 2016/07/26
わむう
21
アナウンサーになりたい夢を持つ主人公・美結。しかし骨肉腫におかされ、右脚を切断しなければいけなくなる。 切断した右脚を母と化粧を施し、昔の傷痕を見て懐かしい思い出が蘇り、火葬で見送る。義足での訓練を終え退院しアナウンサーになる夢を叶えるため前へと進む。2017/10/14
epitaph3
9
別れる右足を弔う。自分と似た感覚をもつ主人公の行動が僕の胸を打つ。右足に対する愛おしさがひしひしと。速さを上げればリズムよく読み切る事はできるが、セリフが多用されるこの物語にセリフを読みながら、動きを止めて欲しい。主人公の未来を祈りつつ。右足はメタファーだ。みな、なにかを体の中から切り離しながら生きるんだ。2016/07/22
飲も飲も
6
骨肉腫になってしまい、足を切断することになった高校生の美結。彼女のその後が気になります。2017/08/21
gontoshi
4
病院で体の一部を失う事を受入れるまでのこころの動きが伝わって来ます。この物語のように回りにこころを受け止めてくれる人達がいると良いですね。2021/09/05
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