内容説明
1974年8月7日、完成間近のニューヨーク・世界貿易センターのツイン・タワーの間を、綱渡りした男がいた!若き大道芸人・フィリップ・プティが地上400メートルの高さで繰り広げるパフォーマンス。いまはなきタワーの思い出として、人々の驚嘆と喜びを描いた迫力ある絵本。2004年コールデコット賞ボストングローブ・ホーンブック賞「絵本部門」受賞。
著者等紹介
ガースティン,モーディカイ[ガースティン,モーディカイ][Gerstein,Mordicai]
1935年、米国ロサンゼルス生まれ。ニューヨークで、長年テレビアニメーションの仕事に携わる。1971年からは子ども向け読み物シリーズの挿絵の仕事を始め、80年代に入ってオリジナル絵本を手がけるようになる。現在は、画家の妻と娘とともにマサチューセッツ州在住
川本三郎[カワモトサブロウ]
1944年東京生まれ。東京大学法学部卒業。映画、文学、演劇、都市論、エッセイなど幅広く活躍。1991年『大正幻影』(新潮社)でサントリー学芸賞(社会・風俗部門)、1996年『荷風と東京』(都市出版)で読売文学賞、2003年『林芙美子の昭和』(新書館)で毎日出版文化賞を受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Hideto-S@仮想書店 月舟書房
93
昔、空にそびえる双子のタワーがあった。大道芸人の若者は生まれたての高さ400mのビルを見上げ〈ロープを張るには絶好の場所〉と考えた。思いつくと実行するのが彼のやり方。夜のタワーに上り、太さ2cmのロープを張る。そして、朝日とともに空中散歩。眼下の騒ぎなど気にせず、満足するまで踊ったり、走ったり、寝転んだり……。二つのタワーは今はもう、ない。けれど、1974年8月7日のフィリップ・プティの挑戦とともに、タワーの記憶は人々の心にくっきりと残っている。星が消えて夜明けが訪れる〈すきまのじかん〉の描写が美しい。2015/03/06
れみ
81
図書館内で読了(4)今はないニューヨークのワールドトレーディングセンターのツインタワービルの間にロープを張り綱渡りをした大道芸人フィリップ・プティのお話。この本が出た頃に公開された映画も見たけど、その時の興奮が蘇った!綱渡りの様子を見開き3ページ×2枚で描いた部分が素晴らしい。実際に見た人はさぞかしビックリしただろうなあ。だけどそのビルがテロによって破壊され多くの命が犠牲になったことを思うとなんとも言えない気持ちになる。2015/01/24
yomineko
57
完成前の世界貿易センター、今はなきツインタワーに縄をかけて綱渡りをした男性の実話。地上約400m。綱の太さは僅か2cm。彼はノートルダム寺院でも成功している。建設作業員を装って友人と二人でタワーへ。朝日を浴びて堂々と渡るフィリップを支える物は8.5mのバランス棒のみ。そして遥か下の観客の歓声。逮捕するという警察官を尻目に綱の上で跪き、恭しく観客にお礼😊何と綱の上に寝転んだりもしている😲みんな、このタワーが大好きだったんですね。。。2024/02/28
gtn
50
「ぼくの人生は、この日のためにあったんだ」と綱を歩み始めた男。自分の欲求に忠実で他意がないことは、予告なく行ったことからも分かる。当然自己責任も承知の上。彼はたまたま英雄となったが、失敗し、風船おじさんになる可能性もあった。2021/03/13
パフちゃん@かのん変更
49
実話。今はなきニューヨークのツインタワー。世界貿易センタービルの屋上の間を綱渡りした男のお話。地上400m、もはや人間技ではないですね。2017/04/15