内容説明
人びとが「魔女の小部屋」とよぶ、その屋根裏部屋で、人形は語りはじめる。人形がたどってきた運命を。もち主の少女が経験した、悲しみや喜びを。さあ、今日もまた、一体の人形が数奇な物語を語りはじめた―
著者等紹介
ホルブ,ジョーン[ホルブ,ジョーン] [Holub,Joan]
アメリカの絵本・児童書作家。著作は80冊以上にのぼる
石川のぞみ[イシカワノゾミ]
イラストレーター。武蔵野美術大学、視覚伝達デザイン学科卒業。書籍の装画、雑誌の挿絵、CDジャケット、オリジナルポストカードの制作などを中心に活動中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
杏子
13
2015年西日本読書感想画コンクール指定図書高学年向け。戦争を避け、アメリカへ渡った家族に同行したアーニャと人形のタティアナの数奇な物語が、人形視点でよって語られる。アフリカに行った両親からおばあちゃんの家に預けられた姉妹2人がその物語を聞く体裁になっている。戦争のことなどは子どもにはわからないかと思うが。世代を通じて、手渡されてきた人形の運命の不思議さについては感じるものがあるに違いない。シリーズというので、また先が読みたくもなるだろう(また買わなくては!)2015/06/01
izw
9
マジックドールのシリーズは「闇に逃げたろう人形」だけ読んでいたが、児童書の新刊コーナーで「すてられたベビードール」を見つけ、気になって最初の巻から全巻読んでみることにした。ローズとリラ姉妹が人形の病院を営むお婆さんに1年間あずけられることになり、お婆さんを通して人形の物語を聞くという設定が、不思議な雰囲気を醸し出している。テレビもパソコンもない館で、テレビなどよりはるかに面白く、魅力的な体験が期待される。2014/12/30
バニラ風味
7
両親は一年間、アフリカに行くことになり、ローズとリラは母方のおばあちゃんの家で暮らすことになりました。でも、おばあちゃんはなんだか魔女チック。人形のお医者さんをしているおばあちゃんの「魔女の小部屋」で、2人は、顔がひび割れた不思議なビスクドールを見つけます。2人が「なんで、そうなってしまったの?」と聞くと、あばあちゃんは、その人形の見てきたこと、経験したことを語り始めます。好奇心旺盛な姉妹は次第に、その話に魅かれていきます。ストーリーが魅力的で、とても良質な文章の児童書です。イラストも良し。続編が楽しみ。2014/06/23
timeturner
2
アメリカへと亡命するユダヤ系ロシア人少女とルーマニア人少女の友情物語と、現代アメリカの姉妹ふたりの話がうまくミックスされていて面白いことは面白いのだけれど、どちらの話にもいまひとつ深みが足りない気もする。お婆さんが飼ってる猫たちの名前が、ジョン、ポール、ジョージ、リンゴだというのが密かにショックだった。ビートルズって、もうお婆さんの時代のものなのか・・・。2014/06/18
kaolu
1
人形を直す仕事をしている祖母から、二人の姉妹が聞かされたのは、人形の目を通して語られる過去の持ち主がたどった波乱の運命。もっと子供っぽい話だと思って読んだら意外にしんみりとしてしまった。続きのシリーズも読んでみようか。2019/01/30