内容説明
「おばあちゃん、カッパってほんとうにいるの?」「ああ、カッパはなあ、すみだ川にすんでいるんだよ」ゲンタがきくたびに、おばあちゃんはカッパのはなしをしてくれた。ところが、ゲンタが学校に入学すると、せんそうははげしさをましてきた。そして…。カッパも平和をさけんでいた。東京大空襲でカッパに助けられた少年のおはなし。
著者等紹介
うるしばらともよし[ウルシバラトモヨシ]
漆原智良。1934年東京・浅草生まれ。法政大学卒業後、東京都中学校教諭として28年間勤務。中途退職し、著述・講演に専念。また大学に勤務し、「児童文学論」「幼児教育論」などを講じる。作品に『ふるさとはヤギの島に』、『学校は小鳥のレストラン』(共に全国課題図書)、『ぼくと戦争の物語』(児童ペン賞、大賞受賞)など、児童書、教育書100冊を超える。1963年NHK放送記念祭賞受賞。第45回児童文化功労賞受賞。(社)日本児童文芸家協会顧問、日本児童ペンクラブ顧問
やまなかももこ[ヤマナカモモコ]
1977年栃木県生まれ。女子美術大学デザイン科卒。「現代演劇ポスターコレクション」1999年、2000年入選。『田んぼのいのち』『牧場のいのち』(くもん出版)でそれぞれ第19回、第21回ブラティスラヴァ世界絵本原画ビエンナーレ入選(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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魚京童!
9
最後にいい話にもっていかなくていいと思う。助かったのはカッパのおかげ。ぜんぶ神さまが助けてくれた。信じるものは救われる。死んだ人は話すことができない。それだけの話。そういうのはよくないと思う。もっと考えなきゃいけないと思う。なぜ死ななければならないのか。意味なんてないのだ。2020/05/30
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
8
小学校6年生ブックトーク 【テーマ 戦争と平和】 国語科単元で『川とノリオ』を学習するので、夏休み期間を使って関連の絵本・児童書などの紹介と貸し出し。2019/06/17
遠い日
8
おばあちゃんの河童信仰が、戦火の中、ゲンタを救ってくれたのだろう。疎開することが決まった矢先に起きた東京大空襲の夜、家族とはぐれたゲンタを守ってくれたもの。信じれば、それは存在する。カッパはきっといつもゲンタを見守っていてくれたはず。おばあちゃんはいなくなってしまったけれど、ずっとずっとカッパを崇めてきたそのことばが、カッパたちの魂を支えたのだろう。2018/03/24
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
6
カッパがゲンタを守ってくれると言ってきたおばあちゃん。友だちにバカにされても信じるゲンタ。戦争の色が年々濃くなり、とうとう東京大空襲が…。家族と離れそれでも一人生き残ったゲンタは、おばあちゃんの言う通りカッパに守られていたんですね。ゲンタが年をとった時に孫に伝える言葉がおばあちゃんと同じことに心うたれます。2019/04/02
魚京童!
4
読んでた。選眼が濁ってる。ゴミだな。2020/07/19