内容説明
二〇二〇年七月に開業した、アイヌ文化の復興・発展のための拠点施設「ウアイヌコロコタン」(「民族共生象徴空間」:愛称ウポポイ)。その開業に至る経緯、アイヌ語による展示解説の試み、博物館の展示方法など、アイヌの歴史と文化を国の内外に伝えていく、その取り組みを紹介する。
目次
第1部 ポロトの歴史と、ウポポイができるまで(ポロトの歴史―ポロトコタンからウポポイの開業まで;民族共生象徴空間における国立アイヌ民族博物館の設立経緯について―特に博物館の建築を中心として)
第2部 ウポポイのアイヌ語(アイヌ語を第一言語に;国立アイヌ民族博物館のアイヌ語による展示解説文と「私たち」)
第3部 博物館展示のこころみ(アイヌ文化を博物館に表象する―国立アイヌ民族博物館の展示手法について;国立アイヌ民族博物館の基本展示で伝えたいこと;国立アイヌ民族博物館の展示室で見えてくる、最前線の教育普及活動の課題)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
榊原 香織
56
北海道にコロナ患者が増えた時期、ニュースでハンサムな鈴木知事の背景に必ずウポポイ、と書いてあった 何だろう、と思ってたけど、あれは随分宣伝になったに違いない。 馴染みのある白老、ポロト湖畔に豪華なアイヌ文化博物館。第1言語がアイヌ語。カタカナ表記。方言が多いと聞くが、今後共通語とか作るんだろーか2023/08/26
すわ
1
博物館の展示構成を決める過程勉強になる2024/04/09
さな
0
2023年10月にウポポイを訪問し、今度放送大学でウポポイスタッフ及びアイヌ研究者による授業を受けるため、復習と予習を兼ねて読了。訪問時にゴールデンカムイや中川裕先生の授業により予備知識はあったが、ウポポイの理念や設立経緯、展示意図まで完全にわからなかったので、今更ながらそれぞれの展示の意味を知ることになった。特にことばについては、展示解説文を見ていたときに「私たち」という表現にマジョリティである和人として違和感があって、その正体を本書で知ることができて満足している。2025/06/15
近藤こたつ
0
ウポポイの設立理念や展示の方針がよく伝わってきた。アイヌ語で展示解説作るの難しそうって思ってたけど、やっぱり難しいよね。日本語だって造語や外来語いっぱいあるんだし。今はゴールデンカムイとかが後押しになってアイヌかっこいい!みたいな風潮もあるけど、和人とアイヌの関係って決してそれだけではないし、すごくセンシティブな話題も含むから考えさせられるし、考えなきゃいけないと思っている。それにしても学芸員や研究者の書いた文章に対する信頼感よ。2024/09/10
オキャベツ
0
【きっかけ】N中1北海道行き【N】よんだのかな?2024/01/22