寝煙草の危険

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寝煙草の危険

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  • サイズ 46判/ページ数 288p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784336074652
  • NDC分類 963
  • Cコード C0097

内容説明

カズオ・イシグロ絶賛「今年のベスト・ブック」!“文学界のロック・スター”“ホラー・プリンセス”による、12篇のゴシカルな恐怖の祭典がついに開幕!!!寝煙草の火で老婆が焼け死ぬ臭いで目覚める夜更け、庭から現れどこまでも付き纏う腐った赤ん坊の幽霊、愛するロック・スターの屍肉を貪る少女たち、死んだはずの虚ろな子供が大量に溢れ返る街…。

著者等紹介

エンリケス,マリアーナ[エンリケス,マリアーナ] [Enriquez,Mariana]
作家・ジャーナリスト。1973年ブエノスアイレス生まれ。ラ・プラタ大学卒業後、1995年に長篇『下りるのは最悪』でデビュー。若者のリアルを描いた長篇で評価を高めたのち、ホラー短篇集『寝煙草の危険』(2009年)、『わたしたちが火の中で失くしたもの』(2016年)で、国際的に批評面・商業面で大成功を収めた。作品は20か国語以上に訳されており、『寝煙草の危険』の英訳は、2021年度国際ブッカー賞最終候補にも選出。ノーベル賞作家カズオ・イシグロからも絶賛された。ノンフィクションや伝記の分野でも活躍。2019年刊行の長篇 『夜のこちら側』は、同年のエラルデ賞とスペイン批評家賞、翌年のセルシウス賞を受賞。ゴシカルな超自然的モチーフを用いて、現実の恐怖や不安を鮮烈に生々しくあぶりだす作風から、”アルゼンチンのホラー・プリンセス””文学界のロック・スター”と称され、現代スペイン語圏作家の中でも、国際的に最も高い評価を受ける一人

宮〓真紀[ミヤザキマキ]
スペイン語圏文学・英米文学翻訳家。東京外国語大学外国語学部スペイン語学科卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

夢追人009

284
南米アルゼンチン文学の第一人者の女流作家による12編の幻想ホラー短編集。やはり土地柄のせいか陰湿な暗さはなく何処かに陽気で熱狂的な気質を感じますね。でも冷静に見えても明らかに頭のねじが外れて狂っているのですけどね。私の印象に残ったベスト3は「ショッピングカート」の黒人ホームレス男の呪いのリベンジの流れが向かうラストの意外な戦慄。「肉」はカリスマロックスターが自殺した時に熱狂的ファンの少女が取ったおぞましさ行動とは?「戻ってくる子供たち」は死の国から帰って来る子供たちの話で「怪奇大作戦」を思い出しましたね。2023/06/13

starbro

208
『このホラーがすごい 2024年版』にて「2023年度ホラー小説ランキング・海外篇」第1位に選ばれたので、読みました。ホラーというよりも、エロスと狂気の純文学的短編集でした。オススメは、「ちっちゃな天使を掘り返す」&「どこにあるの、心臓」&「戻ってくる子供たち」です。 昨年読んでいたら昨年のBEST20候補でした。 https://www.kokusho.co.jp/news/2024/06/202406131352.html2024/06/20

buchipanda3

111
表紙の絵は表題作をイメージしたものだろうか。煙草の煙に巻かれて窒息してしまうほどのひ弱な生き物。そういう生き方を望んでいなくても、そう運命づけられたかのように生きてしまう虚しさ。それは人間にも当てはまると言わんばかりの小説集と思った。不条理な社会病理に慣らされ、その理不尽さに目をつむっても、もたらされた臭いは隠せない。それが発する煙に巻かれてか、人々はいつの間にか倒錯も妄執も曝け出す。それらを描く著者の描写はエグいが、奔放でどこか滑稽。そして伝承的だがリアル。そこには怖さもあるが願いを込めたとも思えた。2023/06/24

藤月はな(灯れ松明の火)

82
箱入りでもある装丁は折り紙付きの美本。ただし、内容は行方不明者が続出した独裁政権下、その解放後も身代金目的の誘拐が横行したアルゼンチンの嘗ての状況を彷彿とさせる戦慄の短編が収録されています。流石、アルゼンチンのホラー・プリンセスだぜっ・・・(泣)「湧水池の聖母」はいけ好かない女子と自分達に見向きもせず(一方的な横恋慕です)に恥を掻かせた男子を悪意から嵌める女子達の悪辣な連帯感に血の気が引く。「ショッピングカート」の脱糞をするホームレスは運を齎したのだろう。だが、共同体で生きるには従わないと略奪の対象となる2023/08/21

ゆのん

74
12編から成る短編集。どの物語もものすごくゾッとさせられる。超常現象的なホラー感はもちろんだが、時には被害者、時には加害者になる人々の残酷さや、残忍さに恐怖する。劣悪な環境下で行方不明の子供達や、煙草、薬物、売春などなど現実的な恐怖にジワジワとやられる。中でも『戻ってきた子供たち』は傑作だと思う。知りたくないような酷い現実と、何となく美しく感じる超常現象の対比が素晴らしい。文章は静かで淡々としているが、読んでいくうちに透明度の高い、刺すような冷たさを感じた。2023/06/09

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