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内容説明
ドイツ文学の翻訳として〓外の訳業に比肩する名訳と絶賛される石川道雄訳ホフマンを集大成。『くるみ割り人形』『砂鬼』『ブラムビラ姫』『廃屋』ほか、幻想文学の巨匠の傑作20編が絢爛たる訳筆で甦る。鬼才クービン、シュタイナー=プラーグ、谷中安規の挿絵も多数収載。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
むすび
1
国書の鈍器本は(略)。ホフマンをある程度まとめて読みたかったからちょうどよかった。下巻の「黄金宝壺」は『幻想小説神髄』にて同じ訳者で既読。 余人には妄想として片づけられる詩人の情熱、それと世間の摩擦が痛いほど。童話である「胡桃割人形と鼠の王様」でも、マリーにとって幸せな結末の陰に、家族との断絶の苦味が置き去られていく。その後は夢と現実の二重生活の狂気を語らないが、「砂鬼」などで推して知るべきか。クララのその後に諦観と恨みを探さずにはいられない。どうして貴女も狂ってくれなかったのかと。2024/08/03