異郷のモダニズム―満洲写真全史

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  • サイズ B5判/ページ数 252p/高さ 27cm
  • 商品コード 9784336061577
  • NDC分類 222.5
  • Cコード C0072

出版社内容情報

中国各地を記録した『亜東印画輯』、グラフ雑誌など、300 点を超える写真と論考により満洲写真史の変遷を跡付ける決定版。大陸に注がれた「眼差し」の変容!

満洲を含む中国各地を記録した『亜東印画輯』、淵上白陽と〈満洲写真作家協会〉によって展開された芸術写真、武藤富男によって制度化された「登録写真」、『FRONT』『MANCHOUKUO』などプロパガンダを彩った華やかなるグラフ雑誌、そしてポーレー・ミッションによって撮影された戦後満洲の姿――。当時制作されたヴィンテージプリントなど300 点を超える写真と論考により、「満洲写真史」の変遷をつぶさに跡付ける決定版!

特別寄稿:野口里佳

はじめに―近代日本の光と影

I. 大陸の風貌―櫻井一郎と〈亜東印画協会〉
II. 移植された絵画主義―淵上白陽と〈満洲写真作家協会〉
III. 宣伝と統制―満洲国国務院弘報処と登録写真制度
IV. プロパガンダとグラフィズムの諸相―1930年代写真表現の行方
V. 廃墟への「査察」―ポーレー・ミッション・レポート

満洲写真史年表
満洲国地図
掲載図版リスト

竹葉丈[ タケバジョウ ]
1961年生まれ。名古屋市美術館学芸員。現代美術、写真(史)に関する調査、展覧会企画に携わる。主な企画展覧会に、『名古屋のフォト・アヴァンギャルド』(1989年)、『異郷のモダニズム?淵上白陽と満洲写真作家協会』(1994年)、『THE HISTORY OF JAPANESE PHOTOGRAPHY』(2003年、The Museum of Fine Arts, Houston.、The Cleveland Museum of Art.)、『写真家・東松照明全仕事』(2011年)など。主な著作に『日本の写真家6 淵上白陽と満洲写真作家協会』(共著、1998年、岩波書店)、『コレクション日本シュールレアリスム3 シュールレアリスムの写真と批評』 (2001年、本の友社)など。

森仁史[ モリヒトシ ]
1949年生まれ。1984‐2009年松戸市教育委員会学芸員。2009‐14年金沢美術工芸大学大学院教授。2014年金沢美術工芸大学柳宗理記念デザイン研究所所長、現在同シニア・ディレクター。専門は工芸・デザイン史。日本近代における工芸・デザインを包括的にとらえて研究。主な著書に『ジャパニーズ・モダン――剣持勇とその世界』(国書刊行会、2005年)、『日本〈工芸〉の近代』(吉川弘文館、2009年)、『美術の日本近現代史』(共編、東京美術、2014年)などがある。

井村哲郎[ イムラテツオ ]
1943年生まれ。元新潟大学大学院現代社会文化研究科教授。専門は中国東北(満洲)を中心とする東洋史、満鉄調査部史。主な編著書に『戦前期アジア関係日本語逐次刊行物目録 : 米国議会図書館所蔵』(アジア経済研究所、1995年)、『満鉄調査部 : 関係者の証言』(アジア経済研究所、1996年)、『中国占領地の社会調査』(共編、2013-14年、近現代資料刊行会)、『満鉄調査部と中国農村調査 : 天野元之助中国研究回顧』(共編、不二出版、2008年)などがある。

内容説明

大陸に注がれた「眼差し」の変容―満洲を含む中国各地を記録した『亜東印画輯』、淵上白陽と“満洲写真作家協会”によって展開された芸術写真、プロパガンダを彩った華やかなるグラフ雑誌の数々―。当時制作されたヴィンテージ・プリントなど300点を超える写真と論考によって、その変遷をつぶさに跡付ける決定版!

目次

第1章 大陸の風貌―櫻井一郎と“亜東印画協会”
第2章 移植された絵画主義―淵上白陽と“満洲写真作家協会”
第3章 宣伝と統制―満洲国国務院弘報処と登録写真制度
第4章 プロパガンダとグラフィズムの諸相―1930年代写真表現の行方
第5章 廃墟への「査察」―ポーレー・ミッション・レポート

著者等紹介

竹葉丈[タケバジョウ]
1961年生まれ。名古屋市美術館学芸員。写真(史)に関する調査、展覧会企画に携わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

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姉勤

23
満州。大国の”当時の”正当な対価要求として、遅ればせながら植民を開始した日本。真を写す。といいつつ、ファインダーを覗くのが人間である限り、映り込んだ意味も含む。それでも、弁髪と着物を着た異民族同士が笑顔で並び、碧眼の家族、重工業や開拓で開けていく大地の近郊には、古寺や石仏、地平をラクダが歩き、騎馬の大陸浪人が駆ける。幻のユートピア。しかし、時ととともにプロパガンダ色が強くなり、やがて敗戦によるソ連軍と人民軍により、瓦礫に変わる。史上初の人種を超えた王道楽土の可能性。この輝かしくも、罪多き言葉。2017/09/01

ナハチガル

12
文章は途中から流し読み。写真はとても面白かった。別途読んでる満州もののイメージを掴むうえでは非常に参考になった。不謹慎かもしれないが、歴史的な意義や功罪は別として、このビジュアルには、末期の九龍城とか、スチームパンクのような、やや不健全な、人為的だが制御しがたいような、キメラ的な魅力がある。A。2022/02/02

takao

0
ふむ2017/07/16

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