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内容説明
泉鏡花の著作を飾り、鏑木清方と美人画の双璧と謳われた天才絵師―匂い立つまぼろしの優品、ここに甦る。
目次
第1章 新進の日本画家として
第2章 美しき「鏡花本」の世界
第3章 挿絵画家として生きる
第4章 波瀾万丈の「家庭小説」
第5章 華麗なる装幀本の世界
第6章 瞬間をとらえる―大相撲の取組挿絵
著者等紹介
松本品子[マツモトシナコ]
1971年、東京都生まれ。弥生美術館学芸員。女子美術大学芸術学部芸術学科卒業後、1996年より現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヒロミ
35
かつては鏑木清方と肩を並べるほどの人気挿絵画家だったという鰭崎英朋(ひれざき えいほう)。泉鏡花の挿絵も手がけ、押しも押されぬ人気挿絵画家だったが清方は歴史に残り画壇と距離を置きあくまでも挿絵画家としての人生を全うしたためか、鰭崎はいつしか人々の記憶から忘れ去られていった。でもこの鰭崎さん、本当にうまいです。妖艶な美女から貫禄ある力士まで幅広い画風。美女とか本当好みの筆致です。大変家族思いで挿絵画家を生業とし筆一本で家族を養った鰭崎。そんな生き方も一本筋が通っていて素晴らしい。2016/03/02
yn1951jp
35
「続風流線」「愛火」などの鏡花本や「生さぬ仲」などの家庭小説で描かれる女の愛憎劇が美しく怖い。鏡花と同じく「幽霊好き」だったといい、幽霊画がはかなく美しい。本書では新聞小説挿絵、相撲の取組挿絵、教科書、絵本など幅広く活躍した全貌が紹介されているが、もっと日本画家として活躍して欲しかった人でもある。2015/02/07
蘇芳
1
日本画、挿絵、小説の口から相撲まで手掛けた絵師。時代の変化とはいえなんて贅沢なんだ。2013/02/21
のんの
0
カラーの美人画の絵が綺麗だった。浮世絵全盛期に活躍された人ではなく、明治~昭和にかけて新聞連載の挿絵等で活躍した方。絵のタッチも幽霊や力士や老婆などは、美人画とはタッチが違う。本の挿絵の良さや重要性を改めて考えた本だった。実物の絵も見てみたいなー2017/04/11
伯修佳
0
明治〜昭和と三時代を挿絵画家として生涯を捧げた、鰭崎英朋の作品を中心に人となりを紹介する本。大正の前期まで鏑木清方と共に「美人画の双璧」と称されただけあって、日本髪の女性絵の美しさはため息が出るほどに素晴らしい。特にあくまで浮世絵を念頭に置いて書かれた額の、眼差しの涼しさに目を奪われる。彼の信念と情の篤い人柄にも感動した。2011/08/23