内容説明
ハリウッドとは似て非なるイギリス映画を通して、イギリス人の人生観をあれこれ探り、イギリスの歴史と文学を痛快に論じ、イギリスが抱える問題をブラックにえぐりだす、画期的映画評論。
目次
第1部 イギリス的なるもの(イギリスは暗い―『モーリス』、『アナザー・カントリー』、『キャリントン』;二つの国民と言語―『マイ・フェア・レディ』 ほか)
第2部 歴史と文学(イギリスの王室―『冬のライオン』、『ヘンリー八世の私生活』;譲れない正義―『わが命つきるとも』 ほか)
第3部 大英帝国―地方そして植民地(アイルランド的なるもの―『アラン』、『静かなる男』;アイルランドの独立運動―『マイケル・コリンズ』、『男の敵』、『ライアンの娘』 ほか)
第4部 現代イギリス―ふたたびイギリス的なるものについて(第二次大戦、そして戦後―『空軍大戦略』、『赤い靴』、『プレンティ』;グレアム・グリーンとキャロル・リード―『落ちた偶像』、『第三の男』 ほか)
著者等紹介
狩野良規[カノウヨシキ]
1956年東京都生まれ。東京外国語大学外国語学研究科修士課程修了。東京都立大学人文学部(史学専攻)卒業。オックスフォード大学留学(1991‐92年)。青山学院大学国際政治経済学部教授。専攻はイギリス文学
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
samandabadra
1
震災後に、どうせ死ぬなら最後に映画の本をと思って読んだ本(笑)。 第1部「イギリス的なるもの」で、アメリカ映画などでこびりついた、あけっぴろげでフレンドリーな英語話者というステレオタイプをこれでもかと打ち砕いてくれる。 第3部の「大英帝国-地方そして植民地」で紹介される映画は非常に気になった。特にスコットランド、ウェールズに関しての映画。第4部の「日の名残り」などの評論にも共感。勿論、第2部の「歴史と文学」の作品も機会があればぜひ見たい作品ばかり。 英語やイギリスの認識が少し変わったかも2011/03/31
山川
1
授業の先生で強制的に読まされました。しかしハリウッド映画とは違ったイギリス映画の観点からイギリスの文化を理解できます2008/01/07
ありんこ
0
授業で1年かけて読了。イギリスに対するイメージどころか、この世の中、社会に対するイメージが変革されました。暗いんです、イギリス。最後に感じたこと、それは成功=幸福ではないこと。それだ!と思いました。私の幸福像、探していきたいな。イギリス人は自分の幸福像を見つけている人が多いのかな。2015/12/03
F.
0
まず、分厚くて、ひるむ。しかし、英国及び英国人を理解するための好書。なにしろ映画から入るので、小難しくない。面白かった。
あさ
0
私の扉を開いてしまった一冊。