内容説明
一夜限りの情事、少年の性の目覚め。アイルランドの世相を、哀しくも滑稽に、そしてエロティックな筆致で描き出した、現代アイルランド第一の作家、マクガハンの傑作短篇集。
著者等紹介
マクガハン，ジョン［マクガハン，ジョン］［ＭｃＧａｈｅｒｎ，Ｊｏｈｎ］
１９３４年、アイルランドの首都ダブリンに生まれる。カヴァン州のクートヒルで、警察官の息子として育ち、セント・パトリック・トレイニング・カレッジ、ユニバーシティ・カレッジ・ダブリン卒業後、ダブリン州の学校で教員となる。１９６３年『Ｔｈｅ Ｂａｒｒａｃｋｓ』で作家としてデビュー。本作は成功をおさめたものの、次作『Ｔｈｅ Ｄａｒｋ』（１９６５）が発禁処分を受け、教員の職を失う。その後ロンドンに出て教職や建設現場の労働者として働く。スペイン、アメリカなどを転々としたすえ、１９７４年アイルランドに帰国、再び小説の執筆を始める。『Ａｍｏｎｇｓｔ Ｗｏｍｅｎ』でＩｒｉｓｈ Ｔｉｍｅｓ賞などを受賞、またイギリスのＢｏｏｋｅｒ賞の候補作にもなった。今日のアイルランド小説界を代表する作家の一人である
奥原宇［オクハラタカシ］
１９４２年兵庫県生まれ。東京外国語大学大学院修士課程修了。現在、専修大学教授
清水重夫［シミズシゲオ］
１９４３年東京都生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士課程修了。現在、早稲田大学教授
戸田勉［トダツトム］
１９５５年神奈川県生まれ。明治学院大学大学院博士課程単位取得退学。現在、山梨英和大学教授
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感想・レビュー
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nina
30
アイルランドの日常のひとこまを描いたショートショートに近い短篇集。都市の若者、郊外の隠居夫婦、イギリスへ向かった出稼ぎ労働者など、多種多様な人々のさりげない日常ドラマの一片が登場するが、誰もが何らかの不在を抱え身動きならないゆえのもの悲しさと、それを包み込む人の心の素朴な温もりが不思議な後味を残す。まるでアイルランド人のポートレート集を見ているような妙な実在感も。ただ、タイトルから想像される恋愛小説風な作品は最初の数篇だけだし、ほぼすべての作品が男性目線で語られるので女の事情というにはあたらない気もする。2014/12/24
ユウキ
14
特別でない人たちの日常を切り取ったような話が１５編。物語が終わった後もその人達の生活を想像してしまう終わり方が心地よい。懐かしさを感じるような短編が多く、中でもほかの男たちのようにとジョッコが気に入って繰り返して読んでいました。2015/12/06
ほんままこと
5
たしかイーユン・リーがこの作家を賞めていたので探して読んだ。アイルランドの作家。この本は翻訳家が何人かで分けて受け持って翻訳しているせいか、翻訳が残念な気がした。どうやらマクガハンという人は性愛に大分感心があるようだということが分かった。神父になる勉強から脱落した男が一夜のアバンチュールをした女を愛しかけるが、女は、今度の木曜日に修道院に入るの、と言う。修道院は安上がりだし医学校にも入れて貰えるわ、と。このクールさは何なのだ？と思った。アイルランドのカトリックという抑圧に想像を巡らせるしかない。2022/05/02
Junko ama NANA
0
グロテスクで途中から読み進めなかった2015/03/31
kzm
0
何だか分かりづらかった2019/12/14
