内容説明
革命のたびに巨大化する銅像を崇拝する都市、精神状態の沈殿を再構成することで甦る絶世の美女、人間とロボットが逆転した世界、時間を貯める永遠時計…。ノンセンスな奇想と風刺と感傷が渾然一体となった台湾SF小説集。
著者等紹介
張系国[チャンシークオ]
1944年、中国重慶生まれ。第二次大戦後、両親に連れられて台湾に渡り、台湾大学電気工学系に進む。1965年に卒業後、渡米。カリフォルニア大学バークレー校で博士号を取得し、コーネル大学、イリノイ大学、ピッツバーグ大学などで教鞭を執る。大学在学中に執筆した長篇『皮牧師正伝』(63)や、短篇集『孔子之死』(71)で作家としての才能を示し、70年代に出版された『棋王』『香蕉船』で高い評価を得る。SFに対する興味も早くから示し、70年代後半から80年代に掛けて数多くのSF短篇を発表
山口守[ヤマグチマモル]
1953年、長野県生まれ。東京都立大学大学院博士課程満期退学。日本大学文理学部教授
三木直大[ミキナオタケ]
1951年、大阪府生まれ。東京都立大学大学院博士課程満期退学。広島大学総合科学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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スターライト
9
台湾の張系国による2冊のSF短編集の全訳。ロボットSF、宇宙SF、シリアスなもの、ユーモアあるものなどいろいろなアイデアと作風を堪能でき、まさに「組曲」の名を冠するのにふさわしい書となっている。印象に残ったのは、「銅像都市」。呼回(フーフイ)世界の都市、索倫(スオルン)を舞台に、旧帝派と新帝派の政権交代ごとに町の中心部の銅像が新しくなるのだが、その興亡が面白い。「傾城の恋」も同じ呼回世界を舞台にしており、張系国による未来史ものかと思った。もし他にあれば、ぜひ読みたい。2020/04/14
ヴィオラ
8
うん、嫌いじゃない。楽しんで読めました。古いと言えば古いのかもしれないけど、まぁ原書出たのが40年近く前だから、当たり前と言えば当たり前w 結末で驚かせるというよりは、そもそものSF的設定を楽しませる感じですかね?「銅像都市」「翻訳の傑作」「人形の家」「シャングリラ」あたりがお気に入り。あと比較トイレ文学w なんとなく「ドラえもん」を読んだ後のような感覚w2018/10/14
夏子
5
台湾SF短編集。ロボットや道士が同じ世界に存在したり漢詩が出てきたりというという不思議な世界観に魅了されました。「銅像都市」がお気に入りです。2016/12/24
Rolf(ロルフ)
1
大学図書館にて借りた本2024/04/23
meiji
1
台湾の方。背景の感覚が同じくできるというか、異文化!という感じはあまりしない印象でした。2022/08/08