内容説明
天草四郎や森蘭丸をはじめとした、日本の歴史を彩る“美少年”像の変遷を、驚異的な博識でもって語りつくす。
目次
倭建に始まる―神話時代・古代の美少年
在原業平―美少年から両性具有へ
光源氏と狭衣大将―作り物語の美形とモデル
院政期の男色―皇族・貴族の寵臣達
千手と参川―高級僧侶の寵童達
源平合戦の美形
鎌倉時代
健気に凛々しく―『太平記』の美少年
芸能少年の魅惑
義満の生涯を彩る美童―足利将軍の寵童1〔ほか〕
著者等紹介
須永朝彦[スナガアサヒコ]
1946年生れ。歌人・作家
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Chicken Book
9
日本の歴史の中で「美少年」とされてきた人たちについてたくさん書かれた本。歴史・文化における「美少年」の位置づけとか現代とのつながりみたいな所にはあまり言及してなくて、思ってたのとちょっと違った。寺・武家・歌舞伎と美少年に関する話題は面白かった。2021/11/03
むっくり
4
記紀からジャニーズ(wまで文学・歴史・芸能と多岐に及んだ分野から日本の美少年・男色史をまとめた本。専門書ではないですが適度な固さです。割かれている部分は戦国~江戸時代(衆道)が多いです。所謂お家騒動にも衆道のもつれが関係しているものがあり、遡って戦国時代の武士、院政期の院や貴族…といやはや主従関係には男色がつきものだな…と改めて思いました。興味が沸いた記述から文献を漁っていっても面白いかと思います。個人的には中世寺院の稚児に興味があるので、こちらで紹介されていた説話や物語を読んでみるつもりです。2012/04/11
YumiMori
3
神話のころから脈々と続く『美少年』の存在感。美少女とは まったく違う生き物感。ベニスに死すとは全く異なるニッポンの美少年よ…❤︎2019/01/07
たにし
2
時代を問わず、綿々と美少年を愛で続けてきたらしいこの国。客観的資料を説明しているだけなのに、生きるため出世のために体を使ってきた男の喜びと哀しみが感じられた。ところでこれだけ資料があるということは、当時の女性たちも当然知っていたと思われる。腐女子的な楽しみ方も、それだけの歴史があったのかしら?2012/09/22
namoken
2
日本史上の美少年に纏わる逸話集。聞き書き形式なので読みやすい。いわゆる衆道が現代の同性愛と相当異なるものだという感想を持った。念者と若衆は対等ではなく、支配・被支配の関係にあったわけか。それにしても、どいつもこいつも一目惚れしすぎだ。2012/05/22