出版社内容情報
自由なコミューンはどうしてカルト村へ変貌していったのか? 著者の両親がなぜ村に入って出会い結婚したのかを描いた特別編も収録。
内容説明
自由だった村はどうして「カルト(子供の労働、空腹、体罰が当たり前!)」化してしまったのか!?村の過渡期を描く人気シリーズのエピソード0!両親がなぜ村に入って結婚したのかを著者自らが探る特別編も収録。
目次
村の保育所
かやの葛藤
学育へようこそ
カルト村で出会いました。―私の両親編
著者等紹介
高田かや[タカダカヤ]
生まれてから19歳まで、カルト村(農業を基盤としたコミューン)で共同生活を送る。村を出てから一般社会で知り合った男性と結婚。村での実体験を回想して描いた作品を「クレアコミックエッセイルーム」に投稿したことがきっかけでデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ネギっ子gen
77
「お金のいらない平和な社会」を目指す「カルト村」(作中では明言はされていないが、明らかにヤマギシ会ですよね)での驚愕の日々を描いたシリーズの最新作。今回描かれた時代は、著者の幼少期。「酒、煙草、TV、漫画、ゲーム」はすべてOKだったが、新しい世話係が現れて、漫画やゲームは没収され、TVも禁止に……。のんびりした村が、理不尽なカルト村に変化していく転換期のエピソードを、柔らかなタッチの絵と手書き文字で描かれる。両親がなぜ村に入って結婚したのかを、著者自らが探る「カルト村で出会いました。私の両親編」も収録。⇒2023/07/11
ma-bo
68
シリーズの完結編。他の作品は読書メーターでの記録をつける以前に読了済。作中では明言はされていないけど、題名のカルト村はヤマギシ会と思われる。今作は遡ってご自身の幼少期あたりの回想と、ご両親が会に入った経緯や結婚に至った流れが描かれたコミックエッセイ。2022/04/11
鷺@みんさー
45
今回も読み応えあったけど、感想が難しいな…。小さな子供でも、大人の思惑や、それを引き出すためのおもねりは敏感に察するんだよな~。結局、著者の幼少期(おそらく40年前くらい)までは、比較的「自由」だった村が、とある教育係によって一変する、と。どの集団でも、一人の「声の大きな人」が良くも悪くも変えるのは、あるあるだよなー。でもその教育係のことを、「よく考えると仕事は有能」と評する著者の眼差しが興味深い。両親の出会いの話が実は一番面白かった。これもまた、一つの時代、一つの地域のヤマギシ村の事実なんだろう。2023/11/28
tamako
44
第一作のなかなか酷い環境(テレビも漫画も無しで頻繁な体罰、親とは年数回しか会えない)は、担当者が変わったからなのだろうか。その前のように、娯楽もそこそこあって親にも週末には会えるくらいだったらまだ理解できるけど。日本で農業に新規参入するのは第一次産業の中で一番ハードルが高い中、ヤマギシ会は資金不要で体一つで農業参入できて食べるのにも事欠かない。経済格差が拡大する一方で地球環境も破壊する資本主義の限界を解決する良策にも見える。でもな〜。2023/05/05
たまきら
43
前二作も大変面白い体験談でしたが、今回の体験談にはもともと入会され、村の中で内部結婚したご両親のエピソードがはいっていて、考えさせられました。お二人とも出会いは大学生の時。純粋で初めてひとりで社会に出たひな鳥のような彼らが入会するまでの部分にはやはり洗脳的なものを感じます。また、ご両親のご家族それぞれがとった対照的な「カルト信者の家族の選択」にハッとしました。うん…つねに帰る場所を用意できる親でありたいです。勉強させてもらいました。2023/06/21
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- 賭 百年文庫 36