内容説明
生涯200を超える序文を書いたボルヘスの序文の中から選ばれた38プラス1の序文を収める“序文集の序文つき序文集”。カフカ、メルヴィル、ルイス・キャロル、スウェーデンボリやシェイクスピア、ヴァレリー、ギボン、セルバンテスというボルヘスがつねに愛してやまなかった欧米の作家をはじめ、『マルティン・フィエロ』『ファウスト』ビオイ=カサーレス、マセドニオ・フェルナンデス、サルミエント等アルゼンチンの作品作家まで。
目次
序文集の序文
アルマフエルテの散文と詩
イラリオ・アスカスビ『パウリーノ・ルセーロ/アニセート・エル・ガージョ/サントス・ベーガ』
アドルフォ・ビオイ=カサーレス『モレルの発明』
レイ・ブラッドベリ『火星年代記』
エスタニスラーオ・デル・カンポ『ファウスト』
トマス・カーライル『衣服哲学』
トマス・カーライル『英雄と英雄崇拝』ラルフ・ウォルドー・エマソン『代表的偉人論』
カリエゴの詩
ミゲル・デ・セルバンテス『模範小説集』〔ほか〕
著者等紹介
牛島信明[ウシジマノブアキ]
1940年生れ。東京外国語大学教授
内田兆史[ウチダアキフミ]
1968年生れ。立教大学非常勤講師
久野量一[クノリョウイチ]
1967年生れ。法政大学非常勤講師
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感想・レビュー
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roughfractus02
11
S・レム『完全なる真空』(1971)が存在しない書物の序文を集めたのに対し、本書(1976)は1926年から実際の書物に対して書かれた序文38篇を収録する。が、両者の共通点のは序文が本文を想起させ、読者が作者の意図に反して読む自由を行使しても、想起というイデア的関係は解消されない点にある。著者はこの序文集にさらに序文をつけ、近代に定着したこの書物の形式が、むしろ中世的な無限を誘き寄せる点を仄めかす。古典からSFまで、詩と散文を含むこれら序文は本文に付加されるのでなく二乗されるのだ、と著者はその序文に記す。2020/02/25
takao
2
ふむ2024/12/21
R
0
序文だけで本ができるなんて。2011/09/20