内容説明
「何を読めばいいんですか?」と聞かれるたびに困った。「読むべき本」が多すぎる!だから「実は読まなくてもいい本」を決めればいいのでは、と考えた。「知のパラダイム変換」が起きた今、複雑系、進化論、ゲーム理論、脳科学、ICT(情報通信技術)の分野で「読むべき本」が浮かび上がる驚きの読書術。文庫版書下し「リベラル化する世界の分断」を加えパワーアップして再登場!
目次
1 複雑系(一九七〇年代のロックスター;「フラクタル」への大旅行;世界の根本法則;追記 複雑系とカオス)
2 進化論(一〇分でわかる「現代の進化論」;「政治」と「科学」の文化戦争;原始人のこころで二一世紀を生きる)
3 ゲーム理論(合理性とMAD;「行動ゲーム理論」は世界の統一理論か?;統計学とビッグデータ)
4 脳科学(哲学はこれまでなにをやってきたのか?;フロイトの大間違い;「自由」はどこにある?)
5 功利主義(「格差」のある明るい社会;社会をデザインする;テクノロジーのユートピア)
著者等紹介
橘玲[タチバナアキラ]
作家。1959年生まれ。国際金融情報小説『マネーロンダリング』(幻冬舎)でデビュー。投資、経済、社会時評に関するフィクション、ノンフィクションのどちらも手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
115
橘さんの読書案内の本です。題名からするとわざわざ読む必要のない(一般的な読書案内ではないという)分野の本を紹介されています。もともと橘さんの他の本でも引用されている本はかなり一般的な分野から離れている本が多く私には参考になっています。この本でも、「複雑系」「進化論」「ゲーム理論」「脳科学」「功利主義」の5つの分野の基本的な考え方を示しながら様々な本を紹介してくれています。私にはゲーム理論と脳科学の分野について参考になりました。2024/06/28
saga
41
後に『言ってはいけない』へと続く論理展開。読まなくてもいいのは、自然科学の進歩によって、その存在意義を失った哲学やフロイトの精神分析など古い認識・考え方で書かれた本。人生は短く、読める本は有限だからこそ、本を選ぶ必要性を教えられた。進化論ではヒトの不合理な経済行為まで説明し得る。各章末のブックガイドで、また読みたい本が増えた!2020/04/05
ころこ
35
著者は「人が何かを考える」ということに対して、決定的な誤解があるようにみえます。その誤解は、人の外部に知識があり、知識と人の関係をある型にはめ込んで、その知識量を人がより多く受け入れることが大事だと思っていることに起因しているようです。例えば、著者は科学的実在論の立場からポスト・モダンを無意味だと批判します。しかし、その見方自体が、ポスト・モダンを大きな物語として誤解していることにあります。著者の思考の問題は、人が何かを「理解する」ということを理解できていないことにあるようにみえます。著者自身が「正統な知2019/07/27
でんか
32
世の中には一生かかっても絶対読み切れないほどたくさん本がある。そんななか、作者さん特有の明快な口調で、本の内容を簡約してく、てなほん。自然科学から政治・哲学・社会科学などなど多岐にわたる。もちろんきちんと知りたくば成書を読めや、ということではあるが。とにかく分かりやすく読みやすい一冊。2019/12/22
たかぴ
30
多読が出来るようになり益々自分の無知がわかるようになった。改めてどのような本を読めば、今が分かるのかと探し手にしました。大きく変化した概念の複雑系、進化系、ゲーム理論、脳科学、功利主義の5つを上げ、ざっくりとした解釈が書かれていて、古くなった概念が詰まった本は読まなくていもいいとおっしゃっている。それにしても日本の仕組みは明治に作られガチガチに固められておりその上敗戦により腑抜けにされているように感じています。無用な情報に流されず自分で考えることが出来てそれを子供に教えていきたい。ありがとうございました。2020/03/04