内容説明
元プロの賭博師ビル・パームリーが腕利きいかさま師たちと対決、巧妙なトリックを次々にあばいていく。エラリイ・クイーンも絶賛したユニークな連作短篇集。
著者等紹介
巴妙子［トモエタエコ］
１９６３年長崎市生まれ。お茶の水女子大学文教育学部卒業。翻訳家
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感想・レビュー
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ずっきん
71
これは絶賛！ イカサマをめぐっての賭博師たちをロマンとユーモアでくるんだ短編集。ビルは言うに及ばず、全ての登場人物が生き生きと躍り、なんといっても全てが面白かった。洒脱と読みごたえ、本格ミステリと際立つ人物像、これが並び立つ作品は存外に少ない。まあ、すれた読者に100年前のミステリだもの。仕掛けを見破るのはたやすい。だが、磨いた文章とキレのある展開、物語はなんとも小憎らしく遥かに上手をいく。贈り物の中身がわかっていても、美しく掛けられたリボンには心が躍るものだ。紳士の皆さんにはそれこそがふさわしい。2019/01/10
星落秋風五丈原
36
凄腕のビル・パームリーはトニー・クラグホーン夫妻と出会い、あまりにも簡単にだまされるトニーを助けるうちに、ユニークな名探偵として引っ張りだこになる。どうしようもないへたれなのに奥様が素敵なクラグホーン。2017/03/31
ごへいもち
23
短編集。どの話もラストはスカッとするんだけど辿り着くまでのもったいぶったストーリーに耐える力が私には不足だったみたい2019/06/17
スタッフＷ
21
読友さんの「最高に気持ちいい１冊」というコメント、そしてここにきて皆さんの感想を読ませてもらったら、ギャンブル好き・福本伸行好きの僕はもう読まずにはいられなくなってしまい、図書館取寄せした。僕は御手洗＆石岡が好きで、どうして好きなんだろうと考えた時に、そうだ、小学生の時に夢中になって読んだ少年版ホームズが発端だったんだと気が付いた。この本のビルとトニーからもそんな古くて懐かしい同じ匂いがした。全部好きだけど特に「ビギナーズ・ラック」でトニーがビルに仕事を任されて奮闘する所が可愛くてニヤニヤしながら読んだ。2015/02/04
シガー＆シュガー
18
10代で家出しプロの賭博師として身を立てたビルが、ふとしたヘマから家へ戻りまともな生活に戻ったところ、これまたひょんな出会いから昔の同業者のイカサマを暴くことに。よく出来た世界観にするりと誘い込まれ、どの短編も徹頭徹尾楽しめました。何よりもビルという主人公の不思議な魅力（「シンボル」の効き具合といったら！）、相方トニーと奥方の愛らしさ、これにつきます。ここに未収録の短編がちくま文庫には収録されているとのこと、そちらもチェックしないと気が収まらない面白さでした。2017/04/08
