Contemporary writers<br> トランス=アトランティック

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Contemporary writers
トランス=アトランティック

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  • サイズ B6判/ページ数 293p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784336035943
  • NDC分類 989.83
  • Cコード C0397

内容説明

「よし、それならいっそのこと、かたっぱしから連中をはりたおしてやる!ところが、いきなり壁だった。そこで踵を返し、出口へと歩き出す…会衆は呆気にとられ、口をあんぐりあけて、小生を見てる…すたすた歩きは次第に威力を増し、迫力を増し…おお、悪魔、悪魔、すたすた、すたすた、すたすた。よし、いいぞ。すたすた歩きだ。すたすた、すたすた…」ポーランドでの作家としての名声におさらばし、アルゼンチンにやって来た“小生”は、海の向こうの祖国で戦争が始まったことを知った。これ幸いと故郷への帰還を断念し、ブエノスアイレスの熱気に身をゆだねたはいいものの、周りは体面を重んじるバカばかり。唇を赤く塗った謎の男とグルになって、“小生”はおとな共を叩き潰す仕儀にあいなった。永遠の青二才を標榜する作家ゴンブローヴィッチが、みずからの体験をもとにして戯画的に綴ったグロテスク・リアリズムの傑作。

著者等紹介

ゴンブローヴィッチ,ヴィトルド[ゴンブローヴィッチ,ヴィトルド][Gombrowicz,Witold]
1904年、ロシア領ポーランドで貴族の家庭に生まれる。ワルシャワ大学で法律を学んだのち、パリに遊学。帰国後、作家をめざし、33年に短篇集『成熟期の手記』をまとめる。37年、アンチ・リアリズム小説の金字塔『フェルディドゥルケ』で作家としての地位を確立。しかし、たまたま旅に出たアルゼンチン滞在中に欧州では大戦が勃発、以後ついに母国の土を踏むことなくその生涯を終える。67年『コスモス』で国際文学賞を受賞。1969年、南仏ヴァンスで死去

西成彦[ニシマサヒコ]
1955年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程中途退学。現在、立命館大学大学院先端総合学術研究科教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ハチアカデミー

20
A アルゼンチンに到着した小生はその地で祖国が戦禍に巻き込まれたことを知る。永遠の反逆児、青二才は、ここぞとばかりに祖国を捨て、アルゼンチンで風来坊となる。と、ここまでは著者・ゴンブローヴィッチの体験が元であるが、本領発揮はここから。おかしな三人組と仕事を始め、何の決断も下せないお役人に振り回され、オカマと意気投合し、同郷の爺さんに同情する。小さなエピソードにいちいち笑わされる。オカマと爺さんの決闘はもはやコントである。祖国ポーランドへの複雑な感情も垣間見えるが、それすら茶化す筆致を堪能。ブレがない。2012/11/13

三柴ゆよし

19
これはあくまで訳文の問題(素晴らしさ)だが、一人称が「小生」という時点で、あまりの馬鹿らしさに腰が抜けるが、矢継ぎ早に繰り出されるおふざけの数かずがクライマックスまでひと時も休まずに持続する。まさしく血の気が引いた。したり顔のおじさん連中を叩き潰す青二才の目論見が、いつの間にやら大人小人変人奇人全員集合のバカボコ大団円に結実していく様は、ほとんど「ドリフ大爆笑」のノリだ。映像化するなら「小生」は若い頃の加藤茶で頼むッ! 併録の「日記」及びリカルド・ピグリア「アルゼンチン小説は存在するのか?」も必読である。2019/03/30

多聞

19
ポーランドでの作家生活に厭き、新天地アルゼンチンへと拠点を移した小生。そんな最中、祖国で戦争が勃発すると、帰国できないならどうでもいい、と言わんばかりに祖国を捨てようと決意。そして、頭のネジが外れた連中がどこからともなく現れて契りを交わし、終盤までひたすら思わず声に出して読みたくなるオノマトペや熟語が飛び交うバカ騒ぎが繰り広げられる! ボルヘスへの対抗意識を隠そうとしない、始終不満だらけの日記も読んでいて楽しくなる。2013/03/05

pyoko45

11
愉快、愉快!すたすた歩きの小生が遭遇する変てこりんな人たちと珍妙な事件。とにかく話が暴れ馬のように跳ね回り、わかるようなわからないような珍妙な擬音・擬態語の連打も相俟って、絶叫マシンさながらの読み心地。終始一貫したハイテンションぶりと悪乗りが愉しい。併録されている序文や日記には、この作品を書くに至った経緯や真摯な思いが見受けられ興味深い。なるほどそれ故に「永遠の青二才」か、と。2013/09/26

aoneko

9
ゴンブローヴィッチといえば「おちりの人」としてインプットされているけれど、言葉を愉しむ作家という風にもなっている。アクロバットな言葉遊びも、それだけじゃないかもと思わせる何かが、今回も愉しかった。特に気に入ったのは『インテリパーティ』なるものに出席する場面。ひとことひとことがインテリ臭く、その滲ませ方がまたインテリそのものなパーティで起こる出来事を インテリジェンスの自己増殖 とまで言ってのけるそこまでっぷりが可笑しい。あとがきによると『フェルディドゥルケ』の国民的バージョンとのこと。2013/11/05

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