出版社内容情報
岡本綺堂 著
種村季弘 編
『半七捕物帳』の著者として名高い綺堂の絶妙な語り口による怪談13篇を収録。「鰻に呪はれた男」「影を踏まれた女」「魚妖」「火薬庫」「穴」「兜」「蟹」「置いてけ堀」「停車場の少女」ほか。
著者紹介
種村季弘 (タネムラスエヒロ)
1933年~2004年。東京大学文学部独文科卒。國學院大學教授。著作集『種村季弘のネオ・ラビリントス』全8巻(河出書房新社)、訳書ホッケ『迷宮としての世界』美術出版社(共訳)、『怪奇・幻想・綺想文学集 種村季弘翻訳集成』(国書刊行会)などがある。
感想・レビュー
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藤月はな(灯れ松明の火)
61
青蛙堂鬼談シリーズも収録。「影を踏まれた女」は行者の言葉を鼻で嗤っていた合理的な要次郎がいざ、不思議な現象に出会うとおせきを置いて逃げたという皮肉さ。だからこそ、身を伴わない合理主義に見殺しにされたようなおせきの末路が遣る瀬無いのだ。「鰻に呪われた男」は第一印象からの悪感情を払拭させたいが為に伴侶の性惰を不躾に暴いてしまった女の悔恨と償いが染み入る。「蟹」は津原泰水さんの「カルキニス」を思い出した。「黄色い紙」は呪いの逆凪を逆に利用する為に自分を依り代のか。狂ったと思わせるまで自分を追い詰める情念に慄然2022/05/26
okawari
1
理由や訳は判明しない謎のまま終わる話がほとんど。 面白い。2014/06/20
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- 和書
- 資源ベースの経営戦略論