バベルの図書館
祈願の御堂

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  • サイズ A5判/ページ数 219p/高さ 23X13cm
  • 商品コード 9784336030474
  • NDC分類 933
  • Cコード C0397

出版社内容情報

中世のイングランドの僧院を舞台にした「アラーの目」、ブラウニング流の劇独白体をとった「サーヒブの戦争」ほかに、「祈願の御堂」「塹壕のマドンナ」「園丁」の全5篇を本邦初訳。

著者紹介
キプリング (キプリング)
1865-1936。英国の小説家・詩人。インドを舞台とする作品で知られる。主な作品に「ジャングル・ブック」がある。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

内島菫

24
戦争等により不運に絡めとられたり死んでいったりする当人ではなく、残された近親者の視点からの物語。五篇すべてにおいて奇跡が起きているようでありながら、「アラーの目」だけは人間が不幸にも奇跡をでっちあげてしまっている。だからこの奇跡は五人もの人間に目撃されるが(うち一人はでっちあげの中に本当の奇跡=生命の神秘を見ようとしている)、他の四篇では奇跡の目撃者(体験者)は語り手あるいは主人公一人。2018/08/22

藤月はな(灯れ松明の火)

19
表題作は女性の自己犠牲の思い込みの強さとそれによって気づかなかった悲愴な事実に戦慄しました。「塹壕のマドンナ」の「マドンナ」も象徴が死なのか人間界に縛られない真の美しさのかという問いも味わい深いです。最後まで読んでみるところっと変わる世界観は皆川博子さんの「死の泉」のようです。2012/12/10

みつ

18
ボルヘス篇の『バベルの図書館』26冊目。今回が読後一番途方に暮れたかもしれない。状況も会話も淡々と進みながら何が起こっているかが分からないまま結末で放り出されたよう。最後の短篇『園丁』についてのボルヘス評「状況はすべてリアリスティックなのに、語られる話はそうではない。」とは、集中すべての作品に当てはまる。二人の夫人のさり気ない会話の中から一人が引き受けた驚きの真相が徐々に露わになる『祈願の殿堂』、中世の僧院を舞台に異教徒の発明品を巡るやりとりが展開される『アラーの目』のみ、解説なしでかろうじて理解できた。2022/08/06

ふみふみ

9
馴染みのない時代背景、題材に文体がとっつきにくく、5篇中3篇は解説読んだ後、再読しました。さて、本書で特に印象深いのは「サーヒブの戦争」。南アフリカの植民地戦争(英vs蘭)という全く知らなかった題材に、一人称視点のペーソスとアイロニーが混じった独特の読み味。一読では理解追い付かず、再読した内の一つです。他、「園丁」は解説の説明が通説のようですが、私は反対ですね。そんな解釈入れちゃうと物語として辻褄が合わない(破綻してる)と思うので。2023/11/23

ぶらり

9
キプリングはボルヘスが強烈に推薦しているが、インドの特異な空気によるものと警戒して挑んだ。しかし、この短篇に圧縮された世界はあまりに深淵な人生観を語っていて、読書家としてのボルヘスの推薦に納得せざるを得ない。文学と哲学と宗教とが一つのテーゼとして物語られていた頃、アイデア先行の収束主義ではない短篇の「密度」があった。それは決して複雑ではない物語の帰結であって、読者の機微に触れて彩られるリトマス紙。ボルヘスの読書力が半端ではないことを痛感、この知識に裏打ちされたリベラルさは羨望するのみ。2011/02/07

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