感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
スターライト
5
フェイバー博士との再会から始まる下巻では、主人公フェニックとフェイバー博士との哲学的な議論、そしてマーグレイヴの正体と永遠の生命の獲得を人生の目的とした彼の運命が印象に残る。思えば上巻の序文が不可思議な現象をめぐる哲学的な見解の叙述に割かれているのは、以下の物語を象徴していたのだった。フェニックと結婚するリリアンや土地の世間を代表するポインツ夫人を始めとした女性陣は下巻では影が薄くなったが、本体系の叢書にふさわしい彩となったのではないか。巻末に「幽霊屋敷と幽霊」を収録し、幽霊へのリットンの立場が鮮明に。2021/05/09
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- 和書
- 現代の肖像百歌人 〈続〉