感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
11
20世紀初頭ドイツのバウハウス運動と同時期、ロシアでアヴァンギャルド(前衛)運動が起こる。前世紀の批判から現代を模索する両運動だが、ロシアの前衛芸術運動には大衆を先導/扇動するプロパガンダの面が強く出ている。このシリーズ最初の2巻は、演劇運動を転換する多数の実践的論考が収録される。王侯貴族的演劇観を破壊して見世物小屋から新たに構築するその目論見は、映画時代の未来派的な演劇の議論、従来のコメディア・デラルテやシェイクスピア演劇の現代的刷新、舞台空間の解体構築と様々なテーマから大衆参加的演劇の実験を作り出す。2025/04/16