内容説明
『きけわだつみのこえ』、『神聖喜劇』、『はだしのゲンはピカドンを忘れない』、『夏の花』、など今こそ貴重な日本人の「財産」27作品を収録。
目次
ヒロシマの空―林幸子
『きけわだつみのこえ』より―瀬田万之助
レイテ戦記―大岡昇平
私のひめゆり戦記―宮良ルリ
麦と兵隊―火野葦平
今夜、死ぬ―古山高麗雄
叫び声―松永伍一
指揮官たちの特攻―城山三郎
神聖喜劇―大西巨人
母と子でみる東京大空襲―早乙女勝元〔ほか〕
著者等紹介
加賀美幸子[カガミサチコ]
1940年生まれ。1963年NHK入局。在局中は、報道、教育、教養、芸能番組等々幅広く担当し、女性初の理事待遇となる。現在も、ライフワークである古典の原文朗読を中心に、講演、執筆など様々な活動を展開。NHK会長賞、ダイヤモンドレディー賞、前島(密)賞、徳川夢声市民賞など受賞。「千葉市男女共同参画センター」名誉館長、「NPO日本朗読文化協会」朗読名誉会長、植草学園大学客員教授、「放送人の会」理事、「NHK文化センター」講師、他(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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馨
17
本当に読み聞かせに最適!数々の戦争小説や詩、原爆の経験談、ドキュメント作品のいいところをはしょってまとめた、戦争を学ぶためだけの国語の教科書みたいです。原作が硬い文章の作品もありますが文字大きくしていたり子供でも読みやすいようになっています。城山さんや大岡さんなどベテラン勢の作品はいつ読んでも素晴らしい。2016/02/13
みー
9
図書館で購入して貰えた本。これは本当に子供に読み聞かせて伝えていきたい事が沢山!!原爆の話が多いが、その他にもひめゆり隊、特攻、中国南京占領、731部隊の事・・・日本が犯した事柄にも真正面から向い、描かれている。どれも、有名な作品ばかり、その中の一節を抜粋して載せている。ここから、それらの作品に手を伸ばして更に深く知っていく事も出来る。それには、こうした入口も子供達には必要なのかもしれない。2015/09/27
田中峰和
6
戦時中、出版社からの依頼で作家が戦地に派遣され、生まれた戦争文学。石川達三は「生きてゐる兵隊」を書き、戦争の残酷さを描いたことで発禁処分を受けた。ここに抜粋された火野葦平の「麦と兵隊」は、戦意高揚に利用され100万部のベストセラーになったもの。命を投げうち戦死を遂げた兵隊の英雄譚を描くのはいいが、「大日本帝国万歳」と叫ぼうと思ったとまで書いている。戦後、戦犯作家として休筆させられたのも尤もである。一方、野坂昭如の「火垂るの墓」は、句点が少なすぎる文体は一見読みにくいが、慣れれば加速する。悲惨さも加速する。2017/12/09