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内容説明
『走れメロス』の「友情物語」がそらぞらしく感じる理由は。『坊っちゃん』は痛快愉快と見せかけた不思議で哀しい物語。支配する「母」の姿が反映された鴎外の切ない『舞姫』。究極のスパイが「秘密」=「弱み」をすべて暴いたら?名作の定説を覆す驚きの新解釈。だから、本は面白い。
目次
ブッキッシュであるということ
友情の文化誌
少年の心と冒険
「悪女」について
一盃一盃復一盃
「坊っちゃん」て、中二病?
われわれがスパイを愛するその理由
趣味は釣り
天道是か非か
著者等紹介
大岡玲[オオオカアキラ]
1958年、東京都生まれ。東京外国語大学外国語学部イタリア語学科卒業。同大学大学院外国語学研究科ロマンス系言語専攻修士課程修了。’87年「緑なす眠りの丘で」で作家デビュー。’89年に『黄昏のストーム・シーディング』で三島由紀夫賞を受賞。同年「表層生活」で第102回芥川賞を受賞。小説以外では書評の執筆が多いが、美術批評、映画批評、グルメや釣りエッセイの執筆、イタリア語の翻訳なども手がけている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さゆ
29
職場で休み時間などに読んでいたので、やたら時間がかかってしまった。自分が読んだ本について書かれている部分は本当におもしろかった。とくに『坊っちゃん』。よく「痛快」とか表現されているけれど、何が痛快なのか、さっぱり理解できない自分がおかしいのかと思っていたけれど、これを読んでなるほどと思えた。2012/01/06
たくのみ
12
「走れメロス」の原典である、シラーの劇詩「人質」、そのまたネタとなった「ピタゴラス派の実験」太宰らしさが少ないのは、その根底にある宗教的底流と理念的「友情」があったのではという仮説。そこから、日本と中国、欧米の「友情」の描かれ方の違いからの文化論。トムソーヤー、ハックルベリーの冒険から、「十五少年漂流記」と「蠅の王」そして、「ピーターパン」に至る「少年の心」とは何かの旅。悪女論、「坊ちゃん」論、スパイ論…つながっていく読書の楽しさ!見事にハマりました。2015/10/02
深山木 寝子
3
何よりもまず、このお方の読書量に諸手を上げて拝み倒して頭を足元にゴリゴリと押し付けて平伏したくなる。古今東西、小学生でも知ってる名著から(その手の世界では有名なんだろうけれど)全く聞き及んだことがない書物を網羅し(本当に網羅としか言いようがないくらい)精通している文学評論。小難しい言葉が使われていて内容も小難しいが、語調が砕けているのでついつい読んでいて口の端が上がってしまう面白さがある。『もっと本読もう』と反省したくなる一冊。 2012/11/25
まやま
2
この本面白い!けどこの面白さは万人向けじゃなく、かなり本を読んでいないと判らないでしょ、ってイヤらしい気持ちも起こさせる本。2012/01/27
蒼1228
1
坊ちゃんは中二病?という目次につられて読んでみた。実はちゃんと読んでいなかった坊ちゃん。痛快な話かと思ったら意外とそうでもないのか? 他にもいろいろ面白い読み方がされていて興味深い。2012/03/21