内容説明
大学時代に川端康成の『山の音』を英訳で読んだとき、これこそ本物の文学だと、嬉しい気持ちになった。しかし、さらに数年後、初めて日本語の原文で読んでみると、もう感動のレベルがぜんぜん違った。まず、原文のもつ美しいリズムや、きめ細かい描写力などに圧倒された…。『日本人の英語』の著者が語る、日本文学の新しい読み方。
目次
プロローグ 古き良き日本語と、新しく面白い日本語
第1章 「古典」はいつもフレッシュだ
第2章 「城の崎にて」を“英文解釈”する
第3章 村上春樹と「サザエさん」
第4章 HAIKUから見直す俳句
第5章 日本語は、おいしい!
第6章 “小津映画”の日本文学度
著者等紹介
ピーターセン,マーク[Petersen,Mark]
アメリカ・ウィスコンシン州出身。大学で英米文学、大学院で日本文学を専攻。1980年、フルブライト留学生として来日。現在は、明治大学経済学部教授。著書に『日本人の英語』『続日本人の英語』『心にとどく英語』(いずれも岩波新書)などがある
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感想・レビュー
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niko
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外国人による日本語・文化・文学の考察。著者による日本への深い愛情が伝わってきて、非常に心地よい本です。よく、英語に過度に期待を寄せる人に対して、「言葉は単なるコミュニケーションの道具でしかない」などと言ったりしますが、本当に単なる道具としか思っていなかったら、この著者のような発見はできないのではないかと思います。英語を道具として使いたいのか、楽しみたいかは人によって違うでしょう。私にとってはどちらかと言えば英語は『仕事や勉強をするための道具』であり、日本語が『楽しむための言葉』です。2008/01/18