内容説明
紫式部に自分の身をおきかえて、彼女の日記から読みとれる自己分析とか和歌が書かれた背景に基づいて、回想録の形で書いてみました。「源氏物語」の作者の生涯が今ここに鮮やかに蘇る。日本人の発想を超えた卓抜した大河小説。全世界8カ国語で翻訳・刊行。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たま
60
作者はアメリカ人、芸者の研究で実際に芸者修業もして博士号を取得。と言うとキワモノ的な印象を持たれる向きもあるかと思うが、この本は良く調べて書かれ私は好感をもった。とくに共感したのは若い紫式部が女友達と『宮仕えごっこ』や『竹取姫ごっこ』(過当な要求を出す)をしたり、宮中に憧れて物語を書き、友達や祖母に見せ宣孝にも読ませ…という流れ。大河ドラマの紫式部の読書は漢詩文ばかり、それも最初のうちだけだった。まひろさん、そろそろ仮名の物語を書き始めたらいかが?と思っているので。この上巻は宣孝の死で終わり下巻へ続く。→2024/07/20