内容説明
齋藤次郎―。かつて小沢一郎と組み、増税による「財政再建」という経済・財政政策としての保守本流路線に賭けた筋金入りのエリート官僚がいた。齋藤は二度勝負した。大蔵事務次官時代の1994年には、細川護煕連立政権を使って国民福祉税の導入を試み、退官後の2007年には、読売新聞主筆の渡邉恒雄を巻き込み、自民、民主両党の大連立構想を梃にドイツ型の増税を目指した。いずれもあと一歩のところで失敗に終わったが、なぜ齋藤は財政規律の回復にかくまで異様な執念を燃やしたのか―。齋藤に最も食い込んだ政治記者がライフワークとして取り組み、齋藤の重い口を割って歴史の証言者としての言葉を引き出した伝記的ノンフィクション。
目次
第1章 大連立 15年目の証言(不決断ゆえの挫折;トップ会談合意後の決裂)
第2章 生い立ち・入省まで(敗戦、そして引き揚げ;戦後の混乱と成長)
第3章 大蔵官僚として(主計局若手時代;主計局参謀入り;財政規律改革;主計本流コース)
第4章 小沢一郎と二人三脚(官房長時代―湾岸1兆ドル支援;主計局長時代―国際貢献税の失敗;事務次官時代 国民福祉税の失敗)
第5章 退官後 郵政社長(郵政社長以前;郵政社長として)
著者等紹介
倉重篤郎[クラシゲアツロウ]
1953年生まれ。東京都出身。毎日新聞客員編集委員。東京大学教育学部卒業後、毎日新聞社に入社。水戸支局、青森支局、東京本社整理部、政治部、経済部、千葉支局長などを経て、2004年に政治部長、11年に論説委員長を務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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