出版社内容情報
中塩智恵子[ナカシオ チエコ]
著・文・その他
内容説明
出張ホスト、ウリセンボーイ、ニューハーフヘルス。セクシュアリティを始め、さまざまな事情を抱えた10人のライフヒストリーから見えるものとは―。性風俗はいつの時代も、社会を映し出す鏡である。
目次
第1章 出張ホスト(専業歴13年。元社長、研究者肌の有名出張ホスト;性感マッサージをメインに活動する、物静かな癒し系;胸板も語りもアツい、プロフェッショナルなベテラン)
第2章 ウリセンボーイ(25歳でボーイデビューした、子持ちのウリセンバーオーナー;自己評価が低く、ノーと言えない“気ぃ使い”な売れっ子;出張型ウリセンオーナー(30歳)と“ゆとり世代”のボーイ)
第3章 ニューハーフヘルス(トランスジェンダー活動家の元ニューハーフヘルス嬢;11歳でロストバージン、AV女優の“男の娘”;大手企業を辞め46歳で突然デビューしたヘルス嬢)
著者等紹介
中塩智恵子[ナカシオチエコ]
1974年生まれ。宮城県石巻市出身。アダルト系出版社を経てフリーランスのライターに。おもに女性週刊誌で執筆。政治家、文化人、芸能人、風俗嬢、ウリセンボーイ等と幅広い取材活動を行う。2002~2006年までタイ・バンコクに在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
akane_beach
21
風俗嬢のなどのアングラ系専門のノンフィクションライターの著者が、性的サービスを施す「男性」を取材する。出張ホスト・ウリセンボーイ・ニューハーフヘルスと3つのカテゴリーに分け、計9名の多様なセックスワーカーに話を聞いていく。彼らはこのような仕事に従事している人の中では成功している方なのだろう。体を使って性的なサービスをして働くということを選んできた経緯や、やり甲斐、今後の展望など、興味深かった。昼間の仕事しか知らない私は、自分の身に置き換えて考えてみるが、うまく想像できない。私には無理!需要もないだろうが笑2018/10/06
ぐっちょい@感想リハビリ中
15
ライターである著者が、出張ホスト、ウリセンボーイ、ニューヘルという3種類の男娼を相手にしたインタビュー本。同じ性従事者でも対象顧客もセクシュアリティもてんでバラバラ。男×女は売春だが男×男は売防法に抵触しない事や、ゲイにはノンケの方が売れる事(何故ならノンケはお金を出さないと相手出来ない為)ニューヘルは従事者も利用者も様々なセクシュアリティが存在出来る場所である事(一番楽しそうだった)著者も触れていたが男娼には女娼に較べて悲壮感を感じず世間の風当たりも強くない点が印象的。まだまだ知らない世界が無限大だ。2019/08/10
yuzyuz_k
10
お腹いっぱいです。 食傷気味です。 サラッとの割には、いろんな側面で価値感が離れているからだと思いますが、ヘヴィに感じました。 でも価値の存在を知ることには役に立ちました。 距離はあるけど、遠くない。 互いに見え方違っていい。 他の事と合わせて少し思考が深まると思います。 あと面白いなぁと思ったのは、 性風俗を利用する男性は、雑な方が多いのは共通の様です。 AVの影響とありますが、よく見てみるとAV男優は、女性の身体を気遣いながら激しく見せてます。 まずは、優しくゆっくりがベースです。2018/11/23
田中峰和
8
本人も新宿2丁目に住み、風俗嬢への取材など業界を知り尽くした著者のインタビューは、新鮮な情報を伝えてくれる。40代半ば未婚の中年女性の著者は、出張ホストやウリセンボーイの顧客と自分を重ねて本音を漏らす。この種の風俗に属する男たちは恋愛の困難になった女性にホストクラブで遊ぶ経済力はなくても、セックスを提供する。年齢的に厳しくなった妊娠を焦り、彼らに避妊しないよう願うことすらあるという。彼女たちの思いに他人事ではなく同情する著者。男が男娼を買っても法に触れないが、女が買うと売春防止法に触れるのは不思議だ。2018/11/24
n75
8
ホスト、売り専のほかに目新しかったのはニューハーフや男の娘を扱った最後の章。LGBTのTの概念の難しさを知った。最後の彼女も言っているが、昨今のLGBTを巡る運動に自分も疑問を持っている。法を整備したり権利を認めたところで、世の中の人の意識がどう変わるのか、むしろ権利を主張する変な集団と思われないか。法や権利も必要だが、それ以上に人間として理解することが重要なのでは。カミングアウトに関しても美談のように語られるが結局肉親は混乱するだけで自己満足というのにも納得した。2018/09/20