内容説明
すべてのものを失って、初めて出会える人がいた。コミュニケーション不全をテーマに描く著者が、追いつめられた果てと、その向こう側を描く。
著者等紹介
小川勝己[オガワカツミ]
1965年長崎県生まれ。2000年、『葬列』で第20回横溝正史賞を受賞し、デビュー。人間だれもが持つ、心の弱さ、負の要素の描き方には定評がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Carlos
4
理不尽さに打ち勝つのは難しいよな。結局自分が達観するのが一番なのだろうか。2013/04/07
うちこ
4
主人公が、彼女と一緒にいたことすら思い込みだったのでは、と悩むシーンがあり、その後彼女の本当の想いがあふれるシーンがありました。話の本筋ではないのでしょうが、私はそこで涙しました。お互いの気持ちは嘘じゃなかったんだな、って。2012/08/30
Kasumi
3
心穏やかでない時だったからか、読んでいてさらに気持ちが沈んでいった。2013/08/19
Nori
2
世の中は恐怖と悪意に満ち溢れている。それでも、前に一歩踏み出そうと思わせてくれる物語。前半はマスゴミの謂われなきでっち上げに追いつめられる物語。後半はそこから、立ち上がり歩きだそうとする物語。光司とひとみの不器用さが胸にくる。そして、まゆの最期の光司への想いがあまりにも切な過ぎて哀し過ぎて。ミステリーとしても面白く、サクサク読めました。2020/07/03
non
2
'16-255:キエタ!!突然何十カ所も刺されて殺されるなんて。孤独や経験からくる思い込み、不安。歪む精神。マスコミに追い込まれる一方的な恐怖。メディアの扇動。‘・一億総小舅(小姑?)・逃げたところで不安は解消されない。いま現在の精神状態が今後ずっと続くだろう。要するになにも変わらない’イヴ重すぎ。2016/12/11