内容説明
覇王・信長に金を無心する役を押しつけられた公家、隠居せぬ血気盛んな老父、いい人だけど無意味な篭城を続ける我が殿…。歴史的大事件の陰に密やかに咲いた、まことに億劫な出来事に振り回される男たち。解決方法はあるのか?小気味良い展開と洒落な人物描写。読後爽やかな快作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
金吾
27
○やれやれという声が聞こえてきそうな短編集です。悲惨な話もありますが、クスッとする話もありました。「守ってあげたい」「羽根をください」「一句、言うてみい」「蛍と呼ぶな」が良かったです。2023/10/05
糜竺(びじく)
22
戦国時代の武士が色んな問題に難儀しているのだが、どことなく滑稽で面白かった。2023/10/03
つーこ
19
有名な武将ではなく、その人に仕える側の人間をテーマに描かれた短編集。輝かしい主を持つ故苦悩する部下や、先見の明のない人達などごくごく平凡な一般ピープルについての話はとても興味深かったけど、いかんせん退屈で・・難儀しました。軽く読むのに最適です。2014/11/09
きいろ
18
拙者いっぱいいっぱいでござる。の言葉に惹かれて思わず借りちゃった。 短編集。 みんな人間くさくて、はぁーっ。とため息つきながらも主君のために頑張ってる。現代の中間管理職にも通じるものがあるのかも⁈ 快川老師はさすが‼︎ 人となりは危機のときに表れるのだとしたら、そのとき私は見苦しい様になるのではないかと想像してしまった。。 う〜。経験値を上げよう。2014/06/14
MJ
15
8編から成る短編歴史小説集。各話の最後に史実の挿入があり、小説と現実とをつなぐ構造となっている。終始、淡々とした文調が続き、クライマックスをサラッと通り過ぎてしまう。また、現代の会社員が自己投影できるような「難儀」なエピソードもなく、感情移入できないまま読了。2022/12/31