内容説明
昭和‐平成‐令和。それぞれの時代の風俗を巧みに取り込みながら、容姿への疑問と不安を物語に昇華させた連作集。美貌も知名度も偏差値も功績もすべてをぶっとばす、あの部分。ルッキズムの悪口は蜜の味?ヒメノ式「家族の寓話」へようこそ。
著者等紹介
姫野カオルコ[ヒメノカオルコ]
姫野嘉兵衛の別表記もあり。1958年滋賀県甲賀市生まれ。独特の視点とエッジの立った筆致で読者層は男女同数。『昭和の犬』で第150回直木賞を受賞。『彼女は頭が悪いから』で第32回柴田錬三郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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starbro
191
姫野 カオルコは、新作中心に読んでいる作家です。ルッキズムの悪口がテーマの短編集、女性はともかくとして男性読者にはオススメしません。 https://www.kobunsha.com/shelf/book/isbn/97843349151862023/05/28
モルク
113
外見重視、ルッキズムのテーマの連作4編。時代や登場人物の繋がりがわかりにくいが、とある一家はこれはあのやんごとなきご一家か、砂漠の王子ってあの海の…なるほど、皮肉とパンチが効いているわ。また超アイドルの父と母を持ったモデルや有名デザインのアンバサダーを務める14光の娘は当然彼女のことか、といろいろ想像を巡らせ、あら違っていたら申し訳ない。外見重視はこの世の常。第一印象は外見だもの。それを損と見るか今に見ておれと思うか本人次第。ちょっと意地悪目線で書かれているがスカッとする部分も確かにある。2023/10/13
ネギっ子gen
74
【社会的認知とは、周囲の肯定によってのみならず、そこに本人の肯定が加わって、両者バランスが取れた時になされるものである。根本的に自己肯定できない者が、認知されることは極めて困難である】ルッキズムの問題を4つの連作短編で描く。<「そんなことないよ」と言ってもらいたくて言っていると思われたらどうしようと思い、つい口に出そうになる自分のコンプレックスを、いつも抑えてきた。/どんなに社会がポリティカルコレクトネスを訴えても、女のルックスが、ルックス以外の要素をさっさと上回ってしまうことは、みんなわかっている>。⇒2023/07/28
ごみごみ
68
「4つの短編世界が見事に一つの物語に重なり合う、家族のあり方とルッキズムの問題」ってテーマは興味深かったけど・・うーん。私には刺さらなかった。第1話は共感できる部分があったけど、2話目からちょっと読みづらく感じて「一つの物語に重なり合う」ことなくその後は流し読み。完全に私の理解力不足。ごめんなさい💧2023/04/04
はれひめ
50
さてさて姫野カオルコである。そこはやっぱり姫野カオルコだった。特に顕著なくだりは国民的アイドルと結婚した静香、もといミモザと娘について。日本生まれの日本育ちを帰国子女としてモデルにさせてからのあれ?なSNSがとてもシュール。ルッキズムを語らせても姫野カオルコは姫野カオルコだったに尽きる。2023/06/18