内容説明
史上まれにみる出世街道を突き進んだ戦国武将・豊臣秀吉の魅力あふれる物語。織田信長の美濃攻めが始まる。斎藤龍興領の要衝、墨俣に一夜にして城をつくり、敵はおろか信長の度肝を抜いた藤吉郎の奇想天外な策略の数々とは?そして、いつもその傍には野心家の兄を支える弟、小一郎の姿があった。次々に加わる仲間たちと藤吉郎一家が、力を合わせて乱世を生き抜いてゆく!のっけから大興奮!歴史に新たな息吹を。異能の時代小説家、渾身の書下ろし!
著者等紹介
佐々木功[ササキコウ]
大分県大分市出身。早稲田大学第一文学部卒業。織田四天王の一人と言われながらも謎の多い滝川一益に光を当てた『乱瀬をゆけ 織田の徒花、滝川一益』で、第9回角川春樹小説賞を受賞し、デビュー。猛将や智将など、戦国の世の男たちを魅力的に描くことを得意とする(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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パトラッシュ
120
まじめで重厚な傾向が強い最近の歴史小説界で、久しぶりに痛快明朗なドラマが登場した。有名な墨俣一夜城建設のため奔走する若き秀吉の生き生きとした姿が楽しく、夢中で読まされる。戦場で手柄を立てられない己の非力さを見切った秀吉は人たらしの猿面で人を集め、武士には思いも及ばぬ猿知恵を信長に認めさせる。「大ぼらも実現すれば真になる」という明るさに誰もが魅せられ、織田の侍まで苦笑しながら味方してしまうのだ。近年の研究では墨俣の話は史実とは認められていないそうだが、そんな小難しい学説なぞ笑い飛ばす小説の面白さを堪能した。2023/03/24
かんらんしゃ🎡
50
墨俣の一夜城。勝者秀吉の話ゆえ、一つ間違えば児童書になってしまうが、蜂須賀小六を仲間に入れるくだりは適度な緊張もあって引き込まれた。だけど秀吉、愛知県人にはあんまり人気ないのだよ。あやつは大阪の人。家康は東京の人。みんな地元出身なのに他所で幕府を開いた裏切り者だ。天下人を何人も出しながら名古屋はいまだ首都になったことがない。そうそう、知られてないけど源頼朝も名古屋生まれなんだよ。まったくどいつもこいつもよ。2023/06/18
Atsushi Kobayashi
29
面白いですね。。墨俣だけの攻城戦は、こんな感じだったのでしょうか? ほとんど想像だと思うのですが、判明している資料はちゃんと追いかけているようで楽しめます。2023/03/16
Mc6ρ助
28
NHK家康大河関連シリーズ、今回は若き日の秀吉、やはりこのころの秀吉は読んでいて小気味よい(ムロツヨシさんの怪演はあっちに置いといて)。史実では、ない、という墨俣一夜城、ひょっとしたらかくもありなんと読み進めてしまう。秀吉の働き方が過労死レベルというのは置いといて、蜂須賀小六、竹中半兵衛、前野将右らトリックスターたちが生き生きとしている。今年の収穫の一つかも知れない。2023/04/29
れんこ
25
猿と呼ばれる藤吉郎がバタバタと走り回る勢いで読んでしまった。たらし込まれたのかもしれない。面白かった。2023/05/21
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- 和書
- 幸福になったネロ