出版社内容情報
キム・ボム[キム ボム]
著・文・その他
米津篤八[ヨネヅ トクヤ]
翻訳
内容説明
病気で死んだことになっていて、家族の誰も口にしなかったおばあさんが、突然巨額の資産を持って帰ってきた!?優秀な妹と違って、恋に破れ、仕事にもあぶれ、くすぶる僕は、おばあさんも“家族”なのだから仲良くしようとするが…。一族は、みんな“超・大金”を巡って右往左往するばかり。驚天動地のミステリアス・ホームコメディ!!
著者等紹介
キムボム[キムボム]
1963年、ソウル生まれ。2009年に短編小説『チーズバーガー』で韓国小説新人賞を受賞し、作家デビュー
米津篤八[ヨネズトクヤ]
早稲田大学政治経済学部卒、朝日新聞社勤務を経て、朝鮮語翻訳家。ソウル大学大学院で修士、一橋大学大学院で博士学位取得(朝鮮韓国現代史)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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うまる
33
財産を巡るドタバタコメディだと思っていたので、意外と真面目な内容で驚きました。合間の独白で、戦争と著しい男尊女卑の時代を生き抜いたおばあさんの人生がよくわかります。どんな思いで戻ってきたのかと考えると、最後の橋は何 とかしてほしかったです。未だにこういう事があると、知らしめるための展開だったのかな。主人公の恋愛の話は、いい加減にせぃと言いたくなったけど、起伏のある良く練られたストーリーで楽しめました。コピー品で儲けるとか、嘘つきとか、自国の悪い所を書き連ねても発禁にならないだけ、あの国より良い国なんだな。2022/11/28
スイ
13
ずっと以前に亡くなったことになっていた祖母が突然帰って来て、家族と金、という身も蓋もないけど誰もが逃げられないことに直面することになる主人公一家。 おばあさんはじめ皆キャラクターが強烈で面白いのだけど、中盤から見えてくる別の縦糸が突き刺さる。 解説の、おばあさんではなく時代の限界、という言葉、まさにそうで、それを超えていかなきゃなぁと強く思う。 最終章は後の加筆なのかな、物語としてはなくても良いようにも思うけれど、でもフィクションだけでなく現実のたくさんの「おばあさん」達にこうあって欲しい/欲しかった2022/11/23
spatz
13
ジェットコースター小説、確かにおばあさんの存在は謎に満ちていて、いろんなことが起きて予想がつかない。でもこれはコメディなんだろうか、と読み終えて考えた。自分にはそうは思えない。これは一つの国の歴史と大きくかかわる、人々の運命が歴史似よって大きく変えられた時代を生きた女性の物語だ。困難を生き抜いた人々は沢山いたかもしれない。そんな人々へのオマージュなのかもしれない。過去を振り返れば、韓国と日本の歴史、もやはり背景にある。 #NetGalleyJP2022/09/01
り
4
面白かったです。間抜け然としていて読者より先に大事なことに気が付けるキャラクターです。2022/09/22
遠い日
4
韓国の人々の赤裸々な来し方がここにあった。あばずれと蔑まれ、故郷への立ち入りも許されぬおばあさんが67年ぶりに帰還した。失われた自分の歴史を復元すべく、おばあさんの計画を手伝うのは35歳のニート、孫のドンソク。就職試験に88連敗。自らを虫けらと呼ぶ。このチェ家の男どものヘタレぶりときたら話にならない。名家の誉れに見合わない家の女への暴力と依存。分断と格差に拉がれた生きづらさに青息吐息の各人の内面が覗く。60億ウォンの遺産の真贋はいかに? おばあさんの純情がわかる独白には強さと自信が滲んで、胸を押される。2022/08/24
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- 和書
- 好きしかいらない!