出版社内容情報
女子大生一人と中年男性二人。世代も性別もバラバラだが、不可解な話を肴に酒を酌み交わす仲だ。?み語らう悦楽がひしめく短編集!
内容説明
大学生の玉城聖子が書店で待ち合わせているのは、警視庁の幹部と、座間味くんと呼ばれる中年の会社員の男性。世代も性別もバラバラだが、不可解な話を肴に時折酒を酌み交わす仲だ。浮気性の男が起こした傷害事件、若手起業家と空き巣の争い、猫がもたらした複雑な出会い、キャンプ場で一人テントを広げるスーツの女性、そして聖子の胸に淀む罪悪感…。杯を干すほどに推理は冴え、思いも寄らぬ真相が露わになっていく。酔いにまかせて油断しないで。世界はたった一言で変わるから。
著者等紹介
石持浅海[イシモチアサミ]
1966年愛媛県生まれ。九州大学理学部を卒業後、食品会社に勤務。’97年、鮎川哲也編の公募アンソロジー『本格推理11』(光文社文庫)に「暗い箱の中で」が初掲載。2002年、光文社の新人発掘企画「カッパ・ワン」に応募した『アイルランドの薔薇』で長編デビュー。’03年刊行の第二長編『月の扉』は、各種のランキング企画上位にランクインし、日本推理作家協会賞の候補にもなる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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akky本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みかん🍊
94
19年前のハイジャック事件で関わった、会社員の座間味くんと警視庁幹部大迫さん、そして当時赤ちゃんだった聖子が女子大生となり定期的に書店で待ち合わせて会食をしつつ大迫さんを持ち込んだ不可解な話を鋭い視線で座間味くんが反転させる、多少無理があるのではという所もあったけど、人とは違った視点から冷静に見極める座間味くんの推理は面白い、会食での話しだけであり、実際そうなのか検証はできないけどね、最後の展開にはなるほど、だからずっと彼だったのね。2022/03/24
aoringo
87
沖縄でハイジャックされた航空機の事件から20数年。今回のヒロインは当時1歳だった人質の成長した女子。今作も座間味くんの推理?想像?力は増すばかり。猫の話は本当だったらと思うとかなりゾッとした。すっかりシリーズ化したがこんなに長く続くとは思っていなかったなあ。嬉しい誤算です☺️次作も気長に待ちたいと思います。2023/08/05
yukision
78
『月の扉』の事件から20年後,事件の関係者が集まって語り合う。それ以降年に1度行われる飲み会での話題は,最近見聞きしたちょっとした謎。それに座間味くんが推理をするがそれが真実かどうかは不明,というパターンは,『Rのつく月には気をつけよう』と共通する雰囲気の短編集。気楽に読める。2022/05/14
bura
77
座間味くんシリーズ最終巻。今回の座間味くんと大迫警視長の飲み会の同席者は大学生の玉城聖子。あのハイジャック事件の人質の赤ちゃんだ。あれから20年、家庭環境が複雑だった聖子は7つの短編の中で二人に見守られ成長して行く。安楽椅子探偵のどんでん返しの推理に身内の謎が多かったのも最終巻ならでは。特に「救出」は聖子の人生の負の部分を明らかにする座間味くんの優しさがあって嬉しかった。更に最終話はかなりスペシャルな設定である。 「ーどういうことだい?」「どうもこうも」…このいつもの掛け合いが最後にとても心に染みた。2023/04/24
sayuri
76
「新しい世界で」「救出」「雨中の守り神」「猫と小鳥」「場違いな客」「安住の地」「お揃いのカップ」7話収録の連作短編集。二十年前のハイジャック事件がきっかけで知り合った警視庁幹部の大迫、中年会社員の座間味くん、女子大生の玉城聖子。毎回、同じ書店で待ち合わせ、美味しいお酒と食事を味わいながら、事件の謎を紐解いていく安楽椅子探偵物。パターンが決まっているので刺激はないけれど、安心して推理を楽しむ事が出来る。事件関係者の心理を読み取り、逆転の発想で真相に迫る座間味くんの頭の柔らかさに脱帽。最終話では思わずニヤリ。2022/01/21
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