出版社内容情報
小学四年生の琴美と、アルバイトの佐野くんが、地域の禁忌、大人たちの秘密などを少しずつ解明し村の秘密が明かされる長編ミステリー
内容説明
夏休み。琴美の家に、子供たちの謎を解決してくれる青年がやってきた。祥子は想い人から、思いもよらぬ相談を持ちかけられる。沙也香は、それとは知らず、大人たちの「不都合な真実」を掘り起こす。それぞれの謎を追いかけた、それぞれの夏休み。悪意が自分に向けられるとは、想像もしていなかった。意外なつながり、意外な真相。鮮やかに紡がれた長編ミステリ!
著者等紹介
大崎梢[オオサキコズエ]
東京都出身。2006年、『配達あかずきん』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みかん🍊
114
大崎さんらしい小学生が主人公のかわいい日常の謎系と思ってたら、ゾッとする章の最後に次の章では主人公が中学生に代わり、次は高校生と変わって行き殺人事件や政治が絡む不穏な展開にえっどうなって行くの、時系列は?と気になってやめられない、いくら上手く立ち回っても悪事は消えない、しかるべき時に巡り巡って繋がり暴かれていく、手に汗握る展開面白かったです。2020/07/08
よつば🍀
112
「願いごとツユクサ」「おまじないコスモス」「占いクレマチス」「花をつなぐ」4話収録の連作短編集。メルヘンチックな装丁と各タイトルの可愛さから、ほんわかとした物語を想像していたが、内容は幼女殺害事件の真相に迫るミステリー。時系列のトリックに、まんまと騙された事に途中で気が付くが、いかんせん登場人物が多い事で頭の中が混乱し、爽快感が味わえない。琴美、祥子、沙也香、3人の少女の視点で物語は進んで行くが、探偵もどきの行動と無茶ぶりがご都合主義的な感じ。ラスト10頁くらいで全ての真相が明らかになるも、想定内で残念。2020/06/15
ゆみねこ
104
可愛らしい表紙とは違って、かなりヘビーなミステリーでした。「願いごとツユクサ」の不穏なラスト、「おまじないコスモス」の中学生、「占いクレマチス」の新聞部員の女子高生。「花をつなぐ」で全部つながってスッキリ。面白かったです!2020/07/04
モルク
103
ほのぼのとした可愛らしい表紙から中学生のちょっと甘酸っぱい話かと思っていたら…とんでもない。サスペンスだった。神奈川県の丹沢が迫る山あいの町を舞台に、夏休みの終わりに女の子が殺される事件が。視点を変えて各章が進み、最終章でひとつに集結する。この子はもしかしてあの子?殺されたのは琴ちゃん?時系列のミスリード、読み手も騙されまいと深読みしてしまい、勝手に思い込んでしまう。まさに書き手の術中にはまる。やられた!2021/05/30
Ikutan
79
大崎さん、久しぶりの長編ミステリ。第一章の小学生が主人公の『願いごとツユクサ』のラストはドキドキのまま終わり、第二章の中学生が主人公の『おまじないコスモス』では、10歳の女の子が殺された30年前の不穏な事件の疑惑が浮上。第三章の『占いクレマチス』では、新聞部の高校生が主人公。三つの花をモチーフにした物語が最後の『花をつなぐ』で一つになり真相が明らかになるという構成。登場人物が多いので、事件の全容が見えてくるまでは何度も遡って確認。最後は一件落着でしたが、もうちょっと、頭のすっきりした時に読みたかったかも。2020/06/29