出版社内容情報
瀬戸内海に浮かぶ島の高校から始まる、新たな青春“俳句”小説!
内容説明
小市航太は瀬戸内海に浮かぶ五木島の分校に通う高校三年生。球技部を引退した航太は、ひょんなことから俳句甲子園出場を目指す日向子のメンバー探しを手伝うことになる。メンバー五人が揃い、本格的に俳句甲子園出場を目指すため動き始めたある日、航太の祖母が倒れてしまい…。島で生まれ育った少年少女たちが俳句甲子園に新風を巻き起こす!
著者等紹介
森谷明子[モリヤアキコ]
1961年、神奈川県生まれ。2003年、紫式部を探偵役にした王朝ミステリ『千年の黙(しじま) 異本源氏物語』で第13回鮎川哲也賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みかん🍊
98
『春や春』の続編かと思ったら同じ俳句甲子園を目指す別の高校の話。瀬戸内海の島の高校はもうすぐ廃校予定で生徒数が極端に少ない、部活をするにも人数が集まらない状態、なんとか部員をかき集め俳句甲子園に出場するため駆け回る日向子、巻き込まれた航太は親の和菓子屋を継ぎたいが人が減っていくこの島でやっていける訳がないので大学へ行って就職をして欲しいと言う、家を継いで欲しい親もいれば島を出て自立して欲しいと願う親がいる、進路や家庭環境に悩みながらも俳句の世界に魅了されていく航太たち、一緒に五七五の世界に入り込みます。2017/11/21
昼寝ねこ
96
再読本。松山市の人は子供の頃から俳句に親しむ。さすが子規を生んだ俳句の街だ。この物語は四国本土ではなく瀬戸内海の離島に住む高校生が俳句甲子園に挑む。もちろん俳句が物語の核なのだが高校生の進路や恋愛、親子関係の悩みが描かれた青春物語でもある。そちらに興味が湧いて中盤の俳句試合の場面で中弛みを感じてしまったのが残念。しかし高校生の詠む句は素晴らしく、ストレートに心に響く。俳句をベースにした爽やかな青春小説でとても良い。島の高校生の純朴な姿に辻村深月さんの『島はぼくらと』と少しイメージが重なった。2024/11/11
真理そら
69
『春や春』と同じ年度の俳句甲子園を愛媛の高校の小さな分校を舞台にした作品。こちらも俳句初心者が集まって俳句甲子園出場のために奮闘する話だが、大会は松山で開催されるので地元の話と言えるかもしれない。『春や春』で舞台になっていた藤が丘女子高校が傍目にはこういう風に見えるのかというような楽しみもある。☆今ここがおれのポジション南風吹く☆こんな句は高校生じゃないと作れないよね。2020/07/22
さつき
65
舞台は瀬戸内。数年後に廃校が決まっている分校の高校生が俳句甲子園を目指す物語。家族との葛藤。愛しさと疎ましさ両方がないまぜの故郷への思い。将来への不安。高校生の揺れる気持ちが瑞々しく、自分の気持ちを17文字に込めようと苦心する姿が眩しいです。甲子園だからトーナメント戦を戦うわけですが、俳句は上手い下手ではなく、それまでの体験や、その時の自分の気持ちに合うものにやはり惹かれる。絶対的な正解はないと描かれている所も良かったです。『春や春』のメンバーも登場し、前作も読み返したくなりました。2017/12/04
ナミのママ
51
愛媛県の離島、廃校が決まった県立高校の五木分校。その数少ない生徒がギリギリの5人を集めて俳句甲子園にいどむという青春小説です。数年前に過ごした愛媛の島にも廃校が騒がれた分校があり、なんだか他人事とは思えず。共感どころか力いっぱい小説に入り込んでしまいました。とてもさわやかな読後感です。俳句について、まったく知識がなかったですが、読み終えると興味がわいてきます。タイトルも良かったです。2018/03/06