内容説明
江戸の町に『馬律流』という武術を伝える道場があった。その主人・紗六新右衛門の長屋に『唯力舎』という変わった貼り紙がある。そこでは一瀬唯力という男が「黒字になった時から一年間、儲けの一割を報酬」として支払うことを条件に、経営指南をしてくれるという―。唯力と新右衛門をはじめとする仲間たちが知恵と勇気を振り絞る、青春時代小説!
著者等紹介
谷津矢車[ヤツヤグルマ]
1986年東京都生まれ。2012年「蒲生の記」で第18回歴史群像大賞優秀賞受賞。2013年『洛中洛外画狂伝 狩野永徳』でデビュー。’18年『おもちゃ絵芳藤』で歴史時代作家クラブ賞作品賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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しんごろ
142
『馬律流』という武術の道場の主人の紗六新右衛門。その新右衛門の中間長屋の部屋を借りて、『唯力舎』という経営指南をする一瀬唯力。唯力と新右衛門達が、曲者揃いの仲間を増やしつつ、商売の案をひねりだし、経営の手助けをしていく。面白いと言えば面白いけど、続編があればという条件付きの面白さかな。新右衛門の馬律流の“覇気”や技など知りたかったし、智佐とのこれからの関係(新右衛門、鈍感すぎる)など気になるところ。もちろん、増えた仲間とともに、もう一山あってほしかった。続編がなく、これで終わりなら物足りないかな。2024/05/05
nishiyan
15
宝暦・天明期の江戸を舞台に『馬律流』の武術道場を根城に経営指南を生業とする一瀬唯力が道場主の新右衛門ら仲間たちと知恵と勇気を絞って活躍する時代小説。米屋の信介からの依頼に端を発した事件を軸に唯力と新右衛門らによる回想が挟まれ、大団円を迎える構成。田沼時代らしい浮ついた世相を背景とするが、そこからこぼれてしまった登場人物たちの悲喜こもごもがコミカルに描かれている。唯力だけだったコンサル業だが仲間が増えることで厚みが増し、より良い解決へと向かっていく様は爽快かつ心温まるもので、彼らのその後が気になった。2022/05/16
Minamo
4
一瀬唯力の経営指南。 江戸の街の経営コンサルタント。 どうしたら家計が上向きになるか。。2023/12/10
とくま
4
〇「心にもないことを言う時には、驚くほどに心が軋む」2022/07/11
k.inoue
1
谷津矢車2019年作、『馬律流』という武術の道場の主人の紗六新右衛門、経営指南一瀬唯力の取り合わせ、いまいち感動がないのは経営指南のネタがありふれているからか2024/10/01