出版社内容情報
品川宿の旅籠≪島本≫に強盗が押し入り、主人が惨殺された。運命が絡み合い、七蔵の哀しい捕物へと繋がっていく――。
内容説明
夜叉萬と恐れられ、また揶揄される北町の隠密廻り同心・萬七蔵。品川宿の旅籠・島本が押しこみに遭い、主らが殺害された事件の探索を任される。夫亡き後、島本を守る女将に次なる魔の手が伸びようとしていた。島本には、相州から来た馬喰の権三という男が泊っていたのだが―。品川宿の風景の中で、男女の人生の一瞬が交差する。情感溢れる傑作シリーズ最新作。
著者等紹介
辻堂魁[ツジドウカイ]
1948年高知県生まれ。早稲田大学文学部卒業後、出版社に勤務。退職後、本格的に執筆業に入る。江戸情緒、人の情、そして迫真の剣戟あふれる作風には定評があり、人気沸騰中の作家である(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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やま
73
北町奉行所隠密廻り方同心・萬七蔵の活躍を書いた物語です。萬は、無頼のやくざの間で夜叉萬と恐れられている。その萬に奉行の内与力、久米信孝が、品川宿の旅籠島本で起こった強盗殺人事件の探索を命じる。盗賊7人は、島本に押し入り金を奪ったのちに主人の左吉郎を殺し、騒いだ手代を短筒で撃ち殺している。萬は、盗賊であれば左吉郎が出した金箱だけを取ってすばやく逃げるのに。なぜ、繁華な宿場の中ほどにある島本を襲い、左吉郎を殺し、短筒を撃ったことで、逃げるのが難しくなったことに不信を抱いた。🌿続く→2022/06/19
真理そら
55
作者らしいしっとりとした情感の漂う部分もあり、作者らしくなく状況説明が妙にもたつく部分もありの作品だがとにかく気持ちよく読み終えた。が、夜叉萬シリーズってこんな雰囲気だったっけ?という気がしてシリーズの初めのものを読み返すことにした。2022/03/07
ぶんぶん
20
【図書館】今回の主役は「名無しの権三」これに尽きる、権三の話でも良いが「夜叉萬」のシリーズだから仕方が無い。 だから、お調べもご都合だらけの名推理。 夜叉萬、もっと活躍しても良いのでは。 権三と櫂の最後の立ち回りに不覚にも泣いた。 「風の市兵衛」のストリーでも書けるのではと思った。 表紙の権三は判るが、もう一人は夜叉萬?ちょっと違うと思う。 絵師を変えた方が良い。 2022/05/27
ニッキー
14
久々の夜叉萬。今回は、道中方支配の事件に町方の夜叉萬が参戦。 品川宿に遊戯場を隠れ蓑にした賭場開帳を目論む高利貸しと道中方の連合軍に、町方萬さんご一頭と昔品川宿に世話になった無宿人との戦い。 最後は、上役に華を持たせて事件は解決、馬喰の渡世人も何処かへと姿を消した。 爽やかな風が吹いている爽快感❣️2022/07/15
woo
4
久々に夜叉萬同心シリーズ新刊。辻堂魁にハズレなし✌️ん、タマにあるか😆2022/03/02