出版社内容情報
東洛大学の高倉は、ゼミ生が姿を消したという事件の報告を受けるが――。『クリーピー』の戦慄再び! 原点回帰のシリーズ最新作!
内容説明
犯罪心理学者・高倉孝一のゼミ生・千倉有紀が、塾講師募集の面接に行ったのち姿を消した。妻の康子は、友人と参加したバスツアーで、高倉を知っているらしい気味の悪い男から威圧的に話しかけられたという。その話を聞いた日の夜遅く、何者かが高倉家の扉を激しく叩いた!高倉は否応なく不気味な事件の渦に巻き込まれていく―。原点回帰のシリーズ最新長編!!
著者等紹介
前川裕[マエカワユタカ]
1951年東京生まれ。一橋大学法学部卒。東京大学大学院(比較文学比較文化専門課程)修了。スタンフォード大学客員教授などを経て、法政大学国際文化学部教授。専門は比較文学、アメリカ文学。『クリーピー』が第15回日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞し、作家としてデビュー。『2013年版このミステリーがすごい!』では「新人賞ベストテン(茶木則雄・選)」で第1位となり、’16年には映画化され話題となった(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
巨峰
41
性癖、倫理観のおかしい登場人物ばかりでまるで90年代の日本ぽい。誰が悪かもわからず、誰が死ぬかもわからない展開ははらはらしどおしで、読み応えはありました。今の時代、この内容の小説を書くのも勇気がいりそう。2025/04/28
Ayako
33
このシリーズの特徴である「気持ち悪さ」は期待を裏切らないものだったが、事件そのもののインパクトはいまいちだった。いやが上にも事件に巻き込まれてしまう理不尽さ、常識の通用しない相手と対峙する恐怖はたっぷりと味わえた。この不快感が突き抜けていて、逆に魅力だ。ところで、この作者の小説には新宿の名曲喫茶『らんぶる』が頻繁に登場する。コロナが流行りだしてから全く行っていないが、のんびりと読書をするには最適な空間なので、また行きたくなった。2022/02/10
みいやん
12
シリーズ5作目。とにかく何ともいえない不気味さが、ずっと続く感じだった。相変わらずヘソ出しがお好きなようだ。2021/11/13
スーヌ
9
【B+】前半は初代クリーピーを彷彿とさせるゾワゾワ感満載のサスペンスだった。すごく面白かった!ただ後半になると(もちろん事件は繋がっているのだが)取ってつけたような展開が続き食傷気味…前半が面白かっただけに、どうしても結末は気になって読み進めたけど盛り上がりに欠けた。とりあえずシリーズを通して、高倉に魅力は感じないのはマイナス要素。まぁヒーローって設定でもないのだろうけど。シリーズ物にはもっと魅力的な人がいて欲しいかな。2024/04/13
みどり
7
これはシリーズと言っていいのか、クリーピーだけが長編であとは短編集的なものだったのだけれど、この本は久々の長編。相変わらず後味は悪いし、スッキリはしないんだけれど、鈴がそうなったら、これも一区切りか。2022/01/28