出版社内容情報
最強のアンソロジー・シリーズ復活第三弾。平山夢明、真藤順丈、澤村伊智、上田早夕里ら、日本でも指折りの短篇の名手が、夢の競演！
内容説明
“秘密”それは幻想怪奇と推理小説を産み出す源泉。今回のテーマは、私たちの最も身近な存在です。それは…秘密―。おそらく、私たちの誰にとっても、ひとつや、ふたつは、密かに持っているものでしょう。誰もが知っている“秘密”の味。だからこそ、“秘密”をめぐる物語は、魅力的です。あらゆるジャンルを超えた“異形コレクション”という秘密の隠れ家で語られる極上の物語。心ゆくまでご堪能ください（編集序文より）。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みっちゃん
144
澤村伊智さん、第３弾でやっとちゃんとしたホラーにしてくれた(笑)今のコロナ禍、テレワーク社会で、もしかしたら人類の変容が始まっているかも？の黒澤いづみさんの『インシデント』も面白かったが、何と言っても御大、平山夢明先生の『世界はおまえのもの』おぞましく、恐ろしく、そして悲しい。圧倒的。2021/08/26
KAZOO
108
今回は新規になってからの3冊目です。私はこの中の作家さんはあんまり知らないのですが結構楽しめました。16の作品のうち黒澤いづみさんの「インシデント」などは最近の状況を表していて楽しめます。また澤村伊智さんや平山夢明sンの作品も水準以上でした。皆川博子さんのは短いのですがファンとしては有難いです。2021/07/08
H!deking
96
まあこれはもう安定の面白さですね。平山夢明さんはテッパンですが、澤村さんあたりは何気にちゃんと面白い。コロナで鬱々としてるこの時期におすすめの1冊。2021/07/07
sin
71
きょうや／ポーの黒猫の劣化版。慎一／座敷童子の恐るべき新解釈。いづみ／ウイルスの生存戦略、ＳＦ的ホラー。有紀／転生の動物戯画…共感、俺達を永劫の闇が待っている。対地／住所録の恐怖。勝則／真相はシンプルが案外意外。紀夫／博愛が地球を救う？雅彦／言葉を削いだらこの理屈っぽさはなくなるだろうに…。理宇／設定がガチャガチャして興を削ぐ。俊介／変転の先、最期の余韻が沁みる。伊智／怪談「ぼく ◯◯えもん」。正紀／ダジャレかよ！日名子／意図が不明。博子／詩だ！千昭／まるでやりすぎ都市伝説だよね。夢明／変調デスノート。2021/09/25
眠る山猫屋
60
５１巻目！！初期常連メンバーが少なくなって寂しいな、とも思うが、新進気鋭の方々が盛り上げてくれる様々な『秘密』。最東対地を見直した『胃袋のなか』のイヤミス感、最初期メンバー中井紀夫『明日への血脈』の遥かなる爽快感。嶺里俊介『霧の橋』の無明の未来、もちろん平山夢明『世界はおまえのもの』の戦慄は、あのタクシー運転手の地図を彷彿させる。そして澤村伊智『貍 あるいは怪談という名の作り話』が何よりの収穫かな。国民的漫画と似通った実話怪談を聴くという意表を突いた物語が現実を揺らがすという体験は、初めてかもしれない。2023/01/26
