出版社内容情報
大店の茶葉屋に嫁いで三月。幸せを噛みしめる間もなく、職人としての仕事と若女将としての役割に、忙しい毎日を送る律だったが――。
内容説明
葉茶屋・青陽堂の嫁として初めての新年を迎えた律。若おかみの務めと上絵師の仕事―その両立に励む折り、懐妊の兆しに気づく。喜びと不安に揺れる律に、女形の役者から着物の仕事が舞い込んだ。殺された倅の弔いに彼岸花を描いて欲しいというのだが…。義妹・香の出産、新たな似面絵にからむ事件など、悲喜こもごもの日々が描かれる人気シリーズ第七弾!
著者等紹介
知野みさき[チノミサキ]
1972年生まれ、ミネソタ大学卒業。現在はバンクーバー在住、銀行の内部監査員を務める。2012年『鈴の神さま』でデビュー。同年『妖国の剣士』で第4回角川春樹小説賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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真理そら
69
青陽堂の嫁としても上絵師としても着々と進歩している律。念願の跡継ぎ誕生に喜ぶお香。一方お上の仕事の手伝いをしたいと律に頼む綾乃。初登場では印象の悪かった綾乃だがだんだんファンになってきている。彼岸花を天上の花の美しさが見えるように心を込めて描いた律を癒すために何かプレゼントしようとおろおろする涼太が可愛い。今回は名前の違う同一人物やらあれこれ錯綜しそうなのでじっくり読んだ。2021/05/13
天の川
56
妻となり、仕事もそれなりに順調で、周りも自分も幸せな知らせを授かり、良かったなぁと思いつつ読んでいると、身辺に過去の事件に結びつく人物が出没…しているのですが、その事件がよく思い出せない(^^;)しかも、それぞれに騙っているので、余計に混乱。もうちょっと、記憶を蘇らせてくれるような話を入れてくれると親切なのにな。曼殊沙華の美しい上絵の着物を思い描きながらも、やはりちょっと哀しいお話でした。2021/09/20
はにこ
55
久々にこのシリーズを読んだので前回の事件があまり思い出せない。。香のめでたい話に、律にもめでたい話と良い方向に進み、さらに着物の注文も入り絶好調な序盤。そこから怪しい女と過去の事件に引きずり込まれて。。すんなりと幸せにはしてくれないねぇ。。彼岸花の別名を初めて知った。綺麗な花だけど妖しさもあるよね。2021/10/17
のんちゃん
47
女上絵師でお上御用達の似面絵も描くお律のシリーズ第7弾。幼馴染で想い人の葉茶屋青陽堂の若旦那涼太と祝言をあげ、段々と婚家にも馴染み、上絵の仕事も順調にいっていたお律だが、と言うのが今回の話。今回、過去の巻で解決していなかった事柄もいくつか収まった。が、今回は辛い上絵の依頼や過去の事件にまつわる哀しい展開があり、いつもの巻の様に爽やかな巻末ではなかった。また、次巻でお律の元気な姿を読みたい。今から次巻が待ち遠しい。2021/05/19
RX78
42
つ、つらい巻だった…。後半、誰が誰だか人間関係がわかりにくいし、こんなつらい展開が待っているなんて…。せっかく幸せになった律だったのに、次の巻は幸せいっぱいになりますように。2021/11/02